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第一部 夢の一歩 5話

いつもよりちょっと長くなっちゃいますた。

「シルフ!そっち行った!」


猿楽が走りながら声を上げる


「エンマ!挟みます!」


シルフは獲物の行く先に先回りする


「もう逃げられないぞ」


エンマは木を伝い、シルフの反対方向から追い詰める


「おりゃー!」


猿楽が獲物に飛びつく


「ぷぎゅー!!」


猿楽は獲物を抱きしめて離さない


「よしよし!落ち着け〜」


捕まえられたピッグルーは暴れるも抜け出せない


「大丈夫だって!食べたりしないぞ!」


猿楽はピッグルーを落ち着かせようと声をかけるが嬉しすぎて目がギラギラしていた


「プギャーーーーーーーー!!」


ピッグルーはその目に恐れて一層暴れる


「猿楽…顔と行動が合ってないって…」


エンマはその光景を見てつぶやく


「背中に星みたいな模様があって可愛いなぁ〜」


猿楽は可愛い模様を見つけてニタニタしていた


「ぷ…プギーーーーーーーーーー!!!!」


その顔を見たピッグルーは渾身の力で猿楽の腕を抜けて逃げていく


「あー!逃げられた!」


悲しそうな猿楽を見てシルフが声をかける


「マスター、魔物と仲良くなるのは難しいかと、私もマスターに一度噛み付いてしまってますし、魔物からすれば外敵にしか見えないのです」


猿楽はシルフの言葉でさらに落ち込んでしまう


「はぁ、仲良くなりたいだけなのになぁ…」


エンマが猿楽の肩に乗り話す


「まぁ、おいらたちがいるだろ?それに友好的な奴とか話せる奴も出てくるかもしれないだろ?」


猿楽は泣きながらエンマを抱きしめる


「そうだなぁーー!ありがとう〜!」


鼻水を垂らしながら抱きしめてくる猿楽を嫌がるエンマ


「お前!汚ねぇな!シルフ!助けて!」


苦笑いをしながらシルフが答える


「今マスターに近づくのは危険かと…」


「やめろ〜〜!!」


森の中に猿楽の泣き声とエンマの叫びがこだまする

____________________________________________


森の中を歩く三人


「シルフ、あとどのくらいだ?」


猿楽はシルフに尋ねる


「まだ出発したばかりですよマスター」


エンマはツッコむ


「猿楽がピッグルー追いかけたりしてるからだろ!?」


猿楽はツッコまれて気づく


「あ!ごめん…」


シルフは笑いながら


「せっかくですから楽しく行きましょう、弟達に楽しい旅の話ができます」


猿楽は嬉しそうに


「そうだな!楽しい旅にしよう」


エンマはつぶやく


「シルフ…お前はなんて良いやつなんだ」


シルフが耳を立てて何かに気づく


「水の音がします」


猿楽とエンマも耳を澄ますが聞こえない


「聞こえないなぁ」


「おいらも」


「シルフはすごいな!」


シルフは提案する


「日も暮れそうですし、川まで行って今日は休みませんか?」


猿楽は答える


「よし、そうしよう!今日のご飯は何かな?エンマシェフ?」


エンマはいつの間にかコック帽をかぶっていて


「猿楽、この旅で今のところ何もしてないぞ?」


猿楽はハッとする


「え……」


エンマは細い目をして


「働かざるもの食うべからず」


猿楽は焦って


「シルフ!疲れただろ?俺の肩に乗れよ!」


シルフはびっくりして


「マスターの肩に!?無理ですよ」


エンマは笑っている


「あははは!」


猿楽は無理矢理シルフを担ごうとする


「働かないとご飯が!!」


楽しそうに川を目指す三人


鋭い眼光が森の中を動く…

____________________________________________


エンマが音に気づく


「あ!おいらにも水の音が聞こえてきた」


猿楽も耳に手を当て音を聞いてみる


「んー?俺にはまだ聞こえないなぁ」


前を歩いていたシルフが振り返り


「もう少し進めばマスターも聞こえるくらい近づいてきますよ」


猿楽は何かに気づく


「ん?聞こえた!」


エンマはツッコむ


「いや、まだ一、二歩しか進んでないし」


猿楽は笑顔で


「ピッグルーの泣き声だ!」


エンマはびっくりしながら


「そっちかよ!聞こえたか?シルフ」


シルフは答える


「私には聞こえませんでした」


猿楽はドヤ顔で


「愛だな」


エンマは猿楽の頭を叩き


「うるさい」


シルフは猿楽に尋ねる


「マスターどちらから聞こえましたか?」


猿楽はきっぱりと


「わかんない!」


エンマは猿楽の肩から落っこち尻尾で猿楽の首にぶら下がりながら


「わかんないのかよ!」


猿楽は苦しそうに


「エンマ…死んじゃう……」


エンマは猿楽の肩に戻り、猿楽は咳をする


シルフが耳を立てるがピッグルーの声は聞こえない


「マスターにだけ聞こえたんでしょうか?」


エンマが否定する


「猿楽の気のせいだって」


猿楽が反論する


「そんな事ないって!聞こえたんだ!」


そう言ってもう一度耳を澄ます猿楽


「あ!」


エンマとシルフも耳を澄ます


「だめだ、川の音しか聞こえない」


エンマがすかさずツッコむ


「今度はそっちかい!」


シルフは楽しそうに


「確かにもうすぐ川に着きそうです」


猿楽が音のする方へ走っていくと、川が流れていた


「着いたぞ!川だ!」


シルフが辺りの匂いを嗅ぐ


「近くに危険な魔物もいなさそうです、ここで休みましょう」


三人は川の近くへ行き、猿楽はリュックからテントを出して組み立て始める


「マスター、それは何ですか?」


シルフは尋ねる


「これはテントっていって雨や風を防げる簡易的な家って感じかな」


猿楽は組み立てながら答える


「おお、それはすごいですね」


エンマが調理器具を準備しながらシルフに質問する


「なぁシルフ、魚とってこれるか?」


シルフは不思議な顔で


「川を泳ぐあれを食べるんですか?」


エンマと猿楽は顔を見合わせ、笑いながらエンマが答える


「おいらに任せろって!」


シルフは少し不安そうにしながらも


「わかりました…獲ってきます」


また森の中を鋭い眼光が動く

____________________________________________


テントを完成させる猿楽


「よし、良い感じ!」


エンマの所に魚を持ってくるシルフ


「このぐらいで良いでしょうか?」


エンマはコック帽を被り答える


「充分!猿楽の手伝いを頼む!」


シルフが猿楽の所にいくと、猿楽がテントの前で何か考えている


「マスター、これがテントですか」


猿楽がテントの入り口の少し上の方を見て答える


「シルフ、なんか文字が見えるんだけど?」


シルフが猿楽と同じ所を見ても何も見えない


「私には見えません、読めますか?」


猿楽は読み上げる


:“猿楽の家2“として設定出来ます。


:設定しますか?


「とりあえず“はい“にしてみよう」


:“猿楽の家2“として設定しました。


:スキル 安全地帯セーフゾーンが発動します。


「なんか俺の家として設定されたみたい」


シルフが答える


「スキルについては私も詳しくなくて力になれずすみません」


猿楽は閃いたように


「聞いてみたら教えてくれるかな?」


「スキルって何ですか?」


特に反応がない


「だめか」


シルフは冷静に


「マスター、流石に会話は無理かと」


猿楽は諦めず


「一体何ができるんですかー?」


:個体名の登録。所持スキルの発動が出来ます。


:個体名の登録によるスキルポイントの取得は同個体が“猿楽の家“に入った時に取得できます。


:スキルポイントによるスキルの獲得は全ての“猿楽の家“で可能です。


「おおお、めっちゃ説明してくれた!ありがとう!」


文字が消える


「シルフの時みたいに名前を登録できるみたい」


シルフが答える


「なるほど、ではあの時のように登録してない者は入れないとしたらとても安全ですね」


猿楽は気づいて


「確かに!すごいな!このテント!」


エンマが魚を捌きながら


「猿楽!早く薪取ってきてくれよ」


猿楽は頼まれてたことを思い出し


「あ!忘れてた!シルフ行こう!」


エンマは魚を串に刺している


「魚の口の方から、S字になるように串を刺して、塩を振って、あとは焼くだけ!」


エンマは石を集めて窯を作る


「こんな感じかな?」


猿楽とシルフが薪を持って帰ってくる


「薪とってきたぞー!俺働いたぞー!!」


エンマは笑いながら


「いいタイミング!さぁ焼いて食べよう!」


猿楽が火を付けようとしたその時、猿楽の手が止まる


「ピッグルーの声だ!」


エンマは呆れながら


「またかよ?肉食べたいのか?」


シルフが耳を立てて


「いや、私にも聞こえます」


猿楽が急に森の方へ走り出す


「おい!猿楽!」


「マスター!」


猿楽を追いかけ森の中へ入っていくシルフとエンマ

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