第一部 夢の一歩 3話
一回書いて書き直すという…
個人的な話ですが寒さで唇切れまくりました
場所は変わり王宮にて
「よくぞ魔物達を退けた。感謝するぞ、ロミル•クアミレア」
ユニコーンと共に魔物達と戦っていた女性は答える
「光栄です。陛下。しかしいつまでこのような戦いを続けていくおつもりでしょうか?」
王の側にいる男が声をあげる。
「陛下に物言いするなど、言語道断!!」
「よい、ベシャリ•トーク」
王に言われ仕方なく大人しくする側近のベシャリ
「長きにわたるこの戦いを終わらせる事はできんだろう。今や何故争っているのかもわからない状況だ」
「使者を送ってみてはいかがでしょうか?必要とあれば私が行きます」
ロミルは王に提案する
「過去にも送った事はあるが帰ってきたものはいない!貴様が考えつく事を王が考えつかないわけがないだろう!」
ベシャリがまたも声をあげる
「そなたならこの戦いを終わらせる事ができるというのか?」
王は問う
「必ず良い報告を持って帰って参ります」
強い眼差しでロミルは答える
「ならん!その間の守りはどうする?多くの兵達が殺されるぞ!」
ベシャリが口を挟む
「ベシャリの言う通りだ、情けないがそなたがおらねば、その間の守りは崩壊してしまう」
王もベシャリの意見に賛同する
「しかしこのまま戦いを続けていても、兵は減っていくだけです」
沈黙。王とロミルは見つめ合い、この空間の静けさにさすがのベシャリも何も言えずにいる。
「考えさせてくれ」
王は答えた
「では、皆持ち場に戻れ!謁見は終了だ!」
すかさずこの会話を終わらせようとベシャリが声をあげる
「………。」
ロミルは何も言わず、王の間を出ていく。
「…クソが。」
扉を出て小さな声でロミルが呟く
その頃王の間ではベシャリが王に進言している
「あの女に好きに言わせすぎではありませんか?」
「そう言われてものう」
「このままではどんどん好き勝手に言ってきますぞ!」
「しかし彼女に守ってもらっているのも確かじゃ」
「では彼女無しでこの国が守っていければ良いのですね?」
「それができるなら彼女に交渉を頼む事もできるが、何か考えがあるのか?」
ベシャリはニヤリとして答えた
「新たに呼ぶのです。強い人間を」
王は厳しい表情で黙り込む。
「全て私にお任せを」
ベシャリはそう言い、王の間を出ていった。
「ブルルッ」
王宮の外で凛々しく立っているのはユニコーン
そして暴言を吐きながら王宮からロミルが出てくる
「カス王にクソ側近、クソッキン、ファッキン!あぁ!もう!腹が立つ」
先ほどまでのイメージとは全く違いヤンキーのような態度のロミル
「お待たせ、ニコ」
「ブルルンッ」
颯爽とユニコーンに跨るロミル、走り出す合図を心待ちにしているニコ
「さて、ニコ、ちょっと思い切り走ろうか?」
「ブルンッ」
「よし、行くよ!」
手綱を握り、合図を出すようにニコの腹を蹴り、勢いよく駆け出す。
「さぁ、跳ぼうか」
「ヒヒーン」
勢いよくジャンプするニコ、まるで空を飛んでるかのような脚力で宙を舞う
「ああああああ!クソ野郎共がぁ!!!」
ロミルの暴言が、空に消えていく
〜森の中〜
正座をし、目を閉じて、動かない。
肩や頭に鳥が止まり、軽くつつかれても動かない。
強く風が吹き、木の葉が舞う
瞬間、一閃。
肩や頭の鳥は驚きもせず落ち着いている。
舞っていた葉が二つになる。
侍だ。それもかなり強い。
「ヘックション!」
鳥は飛んでいき、羽が舞う
「ヘックション!!」
なんとも情けないくしゃみをして辺りの緊張感がなくなる。
「あー、だめだ、退屈すぎる」
侍は立ち上がりながら話す
「勘弁してくれ、俺は敏感なんだよ、くしゃみが出る」
辺りにはホーングリズリーが4体取り囲んでいる
「グルルル」
お腹を空かせているのか、殺気立っている
侍は抜刀の構えをして一言
「集中」
侍の周りを円状に風が吹く
ホーングリズリーが襲い掛かろうとした瞬間、侍は抜刀する。
するとホーングリズリーの周りの木々が斬れて倒れる。
「それ以上近づくな、他を当たれ」
ホーングリズリーは逃げていく
「あれ以上近づかれたらまずかった、くしゃみが止まらな、ヘックション!」
言葉の途中でくしゃみをしてしまう侍
「あー、こりゃだめだ」
「街に戻るか」
鼻を擦りながら侍は歩いていく。
〜王の間〜
「ああ、どうしよう、どうしよう」
王座で頭を抱える王
「みんな勝手だよ、どうしたらいいんだぁ!」
王は涙目になりながら叫ぶ
その声に驚き兵が入ってくる
「何かありましたか!!」
王は急いで顔を整え答える
「大丈夫だ、玉座に足の小指をな」
「はぁ…」
不思議そうな顔の兵
「戻ってよいぞ」
慌てて兵を戻す王
「はああぁぁぁ」
長いため息をして玉座に座り込む王
〜王宮のどこか〜
科学的な機械のある部屋で石を調べているベシャリ
「おい!奴隷を連れてこい!属性魔法を使えるやつだ」
「は!」
ベシャリの部下は答え、出ていく
「必要なのはそれぞれに対応した属性魔力…」
書物を読みながら考えているベシャリ
「魔法陣の方はなんとか再現できそうだが、魔力に関しては奴隷を使ってみるしかない」
兵が戻ってくる
「今は炎属性を使えるこいつしか」
怯えている少年の奴隷
「この石に向かって炎の属性魔法を放ってみろ」
声を震わせながらスキルを唱える少年
「ファ、ファイアーボール」
石に向かって炎が放たれる
「どうだ?」
石を確認するベシャリ
「多少の反応はあるがこれでは全然だめだ、もっと強い魔法を使える奴が要る」
考え込むベシャリ
「おい!闘技大会を開くぞ!優勝者には賞金と王国騎士になれる権利を与える」
「王の許可は取らなくてよいのですか?」
驚いた表情で聞く兵
「王には私が直接話しておく、急げ!」
「は!」
部下は急いで外に出ていく
「もうすぐだ、もうすぐ私の思い通りに…」
不敵な笑みを浮かべるベシャリ
〜丘の上〜
芝生に横になっているロミルと膝をついて座っているニコ
「いつまで争い続けるんだろうな魔物と人間は」
独り言の様にニコに話しかけるロミル
「そもそも争っている理由もわからないなんて」
ニコがロミルの方に顔を近づける
「ブルゥ」
「はは、魔物がみんなお前みたいだったらな、言葉はわからなくても通じ合えるのにな」
ニコを撫でながら話し続けるロミル
「魔物の軍を指揮してる奴とさえ通じ合えれば」
「ん?そもそもそんな奴いるのか?」
ハッとして、ニコの顔を両手で掴み話しかけるロミル
「ニコ!お前、魔王って知ってるか!?」
「ブル!?」
突然顔を掴まれびっくりした表情のニコ
「悪い、わかるわけないよな」
ロミルは空を見つめる
「魔王を探してみるか…」
〜街の中〜
人だかりができている
「腕に自信のある奴は王宮へ、賞金と王国騎士の職を与える」
街の人が看板を読み上げる
「おお、これに優勝すれば金と地位が手に入るぞ」
人々は盛り上がっている
「久しぶりに戻ってきたが盛り上がってるな」
侍が少し離れたところからその騒ぎを見ている
「退屈しのぎにはなりそうだ」
鼻を擦り王宮の方へ歩いていく
出したいキャラがいっぱい、出し切ったらどっかでまとめます