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第一部 夢の一歩 26話

久々すぎて自分で読み返しながら書きました…

王の前には光る石が三つ並べられている


王はベシャリに問う


「ベシャリ、話してくれ」


ベシャリは思考を巡らせる


「(心の声)どうする、言っても大丈夫か?計画に支障は無いはずだ、陛下に納得して貰えればいい」


王はロミル達に


「すまぬ、ベシャリと2人にしてくれないか?」


ロミルは不服そうにしながらも


「行くぞ、お前ら」


イヴァン、アレル、ミズナを連れて部屋を出ていく


ベシャリは王に


「陛下?なぜ2人に?」


王は答える


「包み隠さず話してくれ、ベシャリ。私も隠さず話す」


ベシャリは疑問に思い考える


「(心の声)どういうことだ?正直に話さないと罰せられるのか?どうするのが正解なんだ、ここは間違えられないぞ!」


王はベシャリに


「ベシャリ。そう焦るな、罰を与えようなどとは思っていない。今のところはな」


ベシャリは狼狽えながら


「では話次第では、ということですか?」


王は答える


「考え次第だな」


ベシャリは疑問の表情で


「考え次第?」


王は話し始める


「私も隠さず話すと言ったな、まずは私から話をしよう」


王は続ける


「我が一族、クオーリ家についてだ」


ベシャリは驚きながら耳を傾ける


「クオーリ家についてですか?」


王は頷き


「そうだ、この話をするのは初めてだ。そしてここだけに留めて欲しい」


ベシャリは王の真っ直ぐな眼差しに、何も言えず、汗が頬を伝う


「はい」


ベシャリが出せたのはこの一言だけだった。


王はベシャリを見つめ、話し始める


「クオーリ家の当主は必ずあるスキルを持って生まれてくる」


ベシャリは驚き、目を丸くする


王は続ける


「そのスキルとは他者の心の声を聞くスキルだ」


ベシャリは今までのことを振り返りながらも王に質問する


「心の声…では国民や騎士の考えていることがわかると?」


王は頷き、付け足すように


「そうだ、もちろんベシャリ。お前のこともな」


ブワッと一気に汗を垂らすベシャリ


王は説明を続ける


「どこにいても聞こえるわけではない。そのものが近くにいる時だけだ」


ベシャリは恐る恐る質問する


「では今私が考えていることも?」


王は答える


「全てはわからん。今お前の心は焦りの言葉でいっぱいだ」


ベシャリは安堵する


そんなベシャリに王は


「安心したか?だが時間の問題だ。お前が何かを企んでいることはわかる。だからスキルではなく、お前の言葉で聞かせてくれ」


ベシャリは考える


「どうするどうする!でもこうして考えていることがもう筒抜け!!なんてスキルだ!知らない方が良かった!」


王は困った顔で


「すまない。伝えることで苦しめてしまうのはわかっていた。代々王はこの孤独を抱えて生きてきたのだ」


ベシャリは王に話し始める


「勇者をご存知でしょうか?」


王は答える


「ああ、この世界とは異なる世界から現れ、特別なスキルを持っているヒト。魔王を倒し得る存在」


ベシャリは頷き


「はい、その勇者をこちらから呼び出そうとしているのです」


王は驚きつつも冷静に


「そんなことが可能なのか?」


ベシャリは説明を始める


「私が集めたあの魔石はそれぞれの属性の強力な魔法を打ち込むことで輝き、魔力を溜めることができる特別な魔石なのです」


王は考えながら


「そんな魔石は聞いた事がないが現にこの目でその瞬間を見ているから信じる他無い」


ベシャリは続ける


「しかし、どんな勇者が来るのか、そもそもこの方法で良いのか確証が無く、このような事態に」


王はベシャリを見つめる


「わかった。ロミルには私から説明する。今後は経過を報告するように」


ベシャリは頭を下げ


「ありがとうございます。この国のために必ず勇者を」


ベシャリは部屋を出ていく、部屋の外にはロミル達がいる


「詳しくは陛下が説明してくださる。私はこれで」


ロミルはベシャリを睨みつつも部屋に入っていく。


他の者もロミルに続いて部屋に入っていく。

___________________________________________________


一方その頃、猿楽達は…


「後どのくらいだ?猿楽?」


荷車で休憩しているシャークが猿楽に聞く


「半分ぐらいかな?」


猿楽がそう答えるとシルフが続いて


「そうですね、大体半分ぐらいです」


猿楽は嬉しそうに


「やった!合ってた!」


エンマは喜ぶ猿楽を見て、微笑みながら


「結構遠くまで来てたんだな、おいら達」


猿楽が答える


「そうだね!色々あったなぁ!」


エンマもこれまでの事を振り返り


「大変だったなぁ…よくみんなでこうして帰れてるよ」


フックがエンマに


「気になりますね、聞かせてください」


エンマは少し嫌そうに


「いやぁ…思い出すだけで疲れるというか」


モグモグが突然声を上げる


「猿楽はん!ストップや!」


シルフも警戒するように


「誰かいます」


猿楽は小さい声で


「こんなところに誰が?」


エンマも小さい声で


「魔物か?」


モグモグが答える


「いや魔物ちゃう」


シルフは匂いを嗅ぐ仕草をして


「ヒトです!」


シャークは荷車から降りてきて


「どうする?やるか?」


フックがシャークを止めるように


「私が上から様子を見てきます」


いつも明るい猿楽がめずらしく静かになっているのを見てシルフが声をかける


「マスター、どうかしましたか?」


エンマが猿楽の代わりに答える


「あー、猿楽は人が苦手なんだよ…」


猿楽も浮かない顔で


「嫌いなわけじゃ無いんだけどね…」


モグモグが猿楽に


「なんかあったんか?」


猿楽はあんまり話したく無さそうに


「うん、まぁね」


シルフは心配そうに


「そんな顔のマスターを見るのは初めてです」


そこにフックが戻ってきて、シャークが聞く


「どうだった?」


フックはみんなに聞こえるように


「ヒトですね、ただ今にも倒れそうなくらいフラフラです」


エンマが猿楽に


「どうする?放っておくわけにもいかないけど」


猿楽が答える


「正直あんまり関わりたくは無いんだけど、水と食べ物を渡して、別れよう」


エンマが準備を始める中、星助が


「あのヒトの魔力消えかかってる」


それを聞いた猿楽は走り出す。


エンマは猿楽を追いかける


「猿楽!」


他のみんなも追いかける

___________________________________________________


「薄れゆく意識の中、やっと出会えた、希望に」


「まぶたが重い、足の感覚も無い、まだ倒れるな」


「一言、何か一言」


「大丈夫ですか!?」


「君を探していた」


「俺を?」


猿楽の目の前で倒れる、40代ぐらいの男性


「俺を探してた?」


エンマが追いついてくる


「猿楽!」


猿楽はエンマに


「俺を探してたって言って倒れちゃった」


エンマは驚きながら


「猿楽を探してた?俺たちの事を知ってるのか?この人?」


他のみんなも追いついてきて、猿楽が


「とりあえずこの人も一緒に連れて帰ろう。目を覚ましたら話を聞かないと」


猿楽達は男性も連れて家へと向かう

__________________________________________________


城の外にいるロミル、イヴァン、アレル、ミズナの4人


ロミルは呟くように


「勇者ねぇ、まぁなんでも良いけど、自由に動けるようになったし、私は私のやり方で国を守る」


ミズナはニコニコしながら


「ミズナちゃんは関わりたく無いからバイバーイ!用がある時はお金用意しといてね〜」


ミズナは颯爽と去っていく。


ロミルはイヴァンに


「騎士団はお前に任せた、ベシャリの動きには注意しろよ」


イヴァンは答える


「おう!頭使うのは苦手だが、頑張ってみるぜ」


アレルがその場を去りながら


「森へ戻る」


ロミルが声をかける


「約束はいいのか?」


アレルが答える


「自由になってやりたい事があるんだろ?気が向いたらでいい」


ロミルは笑い


「ビビってるのか?」


アレルは足を止める


「そんなわけない」


ロミルは肩をすくめて


「そうか、ならいい。気長に待っててくれ」


ロミルはニコの元へと向かいながら


「さて、まずはどこに行ってみようか?」

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