第一部 夢の一歩 21話
隙間時間と、睡眠時間を削れば、書ける!!!
食事を終えた猿楽はみんなに話し始める
「まずみんな、俺の家族になってくれてありがとう!それでみんなに伝えなきゃいけないことがあるんだ」
みんな黙って猿楽の言葉に耳を傾ける
「俺とエンマはこの世界とは別の場所から来たんだ」
エンマは猿楽が話したいことがわかり驚くも、猿楽と目が合い、納得する。
「意味がわからないかもしれないけど、ごめん。俺もどうしてこの世界に来れたのかとか、そういうのよくわかってないから答えられない。ただ事実だけを話すと、俺とエンマはスキルのない世界、魔物だっていない世界で暮らしてた。それがなぜだか気づいたらこの世界にいて、みんなと出会った。」
各々リアクションをとってはいるが、誰も言葉を発しない
「でも俺はこの世界に来れて、みんなと出会えて本当によかった!だからこれからも一緒にいて欲しい!」
エンマが話し始める
「正直最初は戸惑っていたが、猿楽はこういうやつだから。どんな場所で、どんな世界でもおいらはずっと側にいる。心配だからな!」
シルフが話す
「確かにマスターは心配の絶えない人です」
シャークはそれを聞き
「でも猿楽には心に芯がある。そういうやつは強いぜ」
フックがシャークに
「心の強さが無謀になる時もあるので、そこのところは私がちゃんと見ておきますよ」
星助が
「ボクも強くなって猿楽の側にいたい」
Jr.も続いて
「僕も強くなるよ!!お兄ちゃんみたいに!」
モグモグが話し始める
「すんまへん、こんなタイミングで新参者のワシが何を言ったらええかわかりまへんけど、とりあえず猿楽はんが気入りました!一緒にいさせてもらいます!!」
猿楽はみんなの言葉に涙を浮かべて
「みんなありがとう!俺、こういうのに憧れてたんだ!これからどんどん家族を増やして、みんなで楽しく暮らそう!!」
フックは猿楽に
「人数が増えるとこのテントでは生活が大変なのでは?」
猿楽は答える
「それに関しては大丈夫!俺とエンマと共に家も一緒にこの世界に来たんだ!」
フックは驚いて
「なんと…そんなことが」
シャークは猿楽に
「じゃあひとまずその猿楽の家に行こうぜ!」
猿楽は答える
「うん!そうしよう!」
エンマは猿楽に
「シルフの父親はどうする?意識が戻るまで待つか?運ぶにしてもどうするか」
シルフはみんなに
「すみません、ご迷惑を」
猿楽はシルフに
「迷惑なんかじゃないよ!でもどうしよっか?」
エンマはみんなに
「誰かいい案ないか?」
猿楽が閃く
「あ!!どうにかテントに入れれば回復できるんじゃない?」
フックが答える
「さすがにこのテントには入らないでしょう」
エンマも
「それができればなんとかなるんだけどな」
シャークがみんなに
「てか、回復スキル使えるやつはいないのかよ?」
シルフが答える
「この中にはいないですね」
猿楽が話す
「新しく誰か覚えられるかも!!」
猿楽がテントに話しかける
「回復スキルって誰か覚えられる?」
テントの前に文字が並ぶ。
シャークはエンマに
「そういえばこのテントについて詳しく聞いてなかったな」
フックも
「私も気になってました」
エンマは二人に
「おいらも詳しくはわかんないんだけど、猿楽にはあのテントの前に文字が見えて、登録した魔物にスキルを与える事ができるみたいなんだ。おいらのスキルもそのおかげってわけ」
シャークは素直に
「すげーな!」
フックは考えながら
「なるほど、興味深い。特に力を与えるというところが」
エンマはフックに
「謎だらけなんだよな、それに文字が見えたり、スキルを選んで与えられるのは猿楽だけだから、詳しく調べられない。わかってることは猿楽自身にはスキルを与えられないってこと」
フックは答える
「自分はスキルを持てず、仲間に与える。それはまるで…」
フックが何かを言おうとした時、猿楽が戻ってきて
「今は0ポイントだから、スキルを覚えたりとかできないみたい!」
エンマは猿楽に
「ポイントってどうやって手に入れるんだ?」
猿楽は答える
「名前を登録すると10ポイント入るみたい!でもテントでは登録しかできなくて、ポイントを貰うには一度家に帰らないといけないみたい」
フックが
「あくまでテントは仮の住まい、本拠地に戻らないとあまり意味がない力ということですね」
シャークがフックに
「でもこれから戻るんだろ?問題ねぇだろ」
エンマはシャークに
「今問題なのはシルフの父親をどうやって運ぶかってとこだ!」
猿楽は悩みながら
「そうなんだよなぁ、結局どうしよう…」
みんなが悩んでる中、モグモグが話し始める
「ワシから一つ提案ええですか?」
みんながモグモグに注目する。
猿楽はモグモグに
「うん!もちろん!」
モグモグはみんなに向かって
「ダンジョンを抜けた時、ワシらに乗って外まで出てきた、それとおんなじ事したらええんちゃいますか?」
みんなハッとする。
そして猿楽はモグモグに
「そっか!またモグモグのお友達みんなにお願いして、運んでもらえたらいいんだ!!」
モグモグは猿楽に
「そうや!それで万事解決!まぁでもワシ以外のみんなはもうどこかへ行っちまって呼べないんやけど!」
エンマとシャークが同時にツッコむ
「なんだそれ!!なんで提案したんだよ!」
モグモグは笑いながら
「いやぁ、なんかみんな暗くてなぁ!」
シルフはボソッと
「またボケが増えましたね」
フックは少し明るくなったこの状況の中、真剣に考えていた
「モグモグの提案は悪くないですよ、乗り物を作ればいいんです」
エンマはその話に乗る
「そうか、材料は森の中にいっぱいある!足りなければおいらのスキルで成長させれば」
フックはみんなに
「私とエンマで設計図を作ります。その間にとりあえずなんでもいいので木材を集めてください」
猿楽はみんなに
「よーし!みんな行こう!!」
各々返事をして、森の木などを集めに行く。
フックはエンマに
「何かいい乗り物の案はありますか?」
エンマは答える
「そうだなぁ、単純に大きな荷車で行けると思う」
フックとエンマは設計図を描き始める
「この部分は材料がなさそうだから、おいらのスキルで」
「耐久面は私のスキルで補強しましょう」
「じゃあ木材がこのぐらいと」
「あとは作りながら必要なものを集めていきましょう」
「それもそうだな」
みんなが材料を持ってきて、エンマとフックは設計図を開いて指示をする。
みんなができることをして、大きな荷車が出来上がっていく。
「エンマ!あとどのくらい?」
猿楽の問いにエンマが答える
「ちょっと待ってくれ、これでいけそうかフック?」
フックは答える
「いけそうですね、やってみます」
エンマは猿楽に
「猿楽!もう大丈夫そうだ!みんなを集めてくれ!」
猿楽はみんなを呼ぶ
「わかった!みんなー!!一旦集合!!」
みんなが作業を止めて集まってくる中、フックはスキルを使う
「羽根の舞、アップグレード」
大きな荷車にフックの羽根が装備されていく。
頑丈になった、大きな荷車が完成する。
猿楽は感動する
「おお!!すごい!これならシルフのお父さんを運べるね!」
シルフはみんなに
「皆さん、ありがとうございます」
シャークはシルフに
「中々楽しかったぜ」
星助とJr.も
「楽しかったー!またみんなで何か作りたいな!」
猿楽はみんなに
「よーし!!じゃあみんな、俺ん家に出発だぁ!!」
エンマは笑顔で
「やっと家に帰れるな」
猿楽はエンマに
「エンマ!俺ん家どっち?」
みんなはそんな猿楽を見て笑う。
エンマは答える
「おいらもわかんない、シルフ!わかるか?」
シルフは微笑みながら
「はい、マスターの家の匂いは覚えています」
猿楽はそれを聞いて
「さすがシルフ!じゃあ改めて、出発!!!」
猿楽達は楽しそうに、家へと向かう
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王国の闘技場にて、ベシャリが叫ぶ
「さぁ!皆さん!!遂に三名の優勝者が決まりました!この三名にロミルを加えた四名で決勝戦を行います!!!」
ベシャリは心の中で
「計画通りのメンバーが残った、あとは上手く魔力を回収できれば…」




