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第一部 夢の一歩 20話

ちょっと忙しくて今月は更新遅いかもです…

フックはコウモリになっているヴァンピに対して話し始める


「陛下、我々は今後どうしたら良いでしょうか?」


コウモリから猫の声が聞こえる


「どうしたいかは決まってるんじゃにゃいか?だからわざわざ話に来たのだろう?」


フックは答える


「はい。猿楽について行ってもよろしいでしょうか?」


猫は答える


「駄目だにゃ!戻ってくるにゃ!」


フックは膝をつき


「陛下、猿楽は不思議な人間です。今後陛下の敵になる可能性もあります。側で監視する者が必要かと」


猫は答える


「違うにゃ、お前は我よりあの人間について行きたいのにゃ、監視ならヴァンピの分体で十分なのにゃ!」


フックは答える


「申し訳ありません…」


猫は続ける


「何に謝っておるのにゃ?」


フックは顔を伏せたまま


「猿楽が、気に入りました…」


猫は問う


「顔を上げてはっきり言うにゃ!!」


フックは真っ直ぐコウモリの眼を見つめて


「猿楽と共に行かせてください」


しばらくの沈黙、フックはうっすら汗をかき始める。


猫が沈黙を破り


「その眼にゃ、そしてその言葉が聞きたかったのにゃ!やりたい様にするにゃ!」


フックは安堵して


「ありがとうございます」


猫は続けて


「ただし、条件があるにゃ!」


フックは疑問の表情で


「条件?」


そこにシャークが来る


「おい、フック!抜け駆けか?」


シャークは続けて


「陛下、俺は猿楽についていくぜ、いいよな?」


フックが猫の代わりに答える


「許可はもう得ました」


シャークはフックに


「なんだよ、じゃあ話は終わりだな」


フックはシャークを引き留める


「待ってください、陛下から条件が」


シャークは猫に


「条件?」


猫は笑いながら


「にゃっはっは!せっかちな奴にゃ!条件は簡単にゃ、絶対に猿楽達を守れ」


シャークは答える


「へっ!簡単な条件だ、そもそも猿楽達はこれからもっと強くなるぜ」


フックも猫に


「その条件ならば、お任せください。陛下」


猫は最後に


「我もいずれ猿楽に会いに行くにゃ、それまでお別れにゃ」


フックとシャークは膝をつき


「お待ちしております。陛下」


「世話になった。待ってるぜ、陛下」


猫は笑いながら


「にゃっははは、また会おうにゃ!」


猫からヴァンピに声が代わり


「では、お二人に任せて私も一度分体を戻します。彼らをよろしくお願いします」


そしてコウモリは飛んでいく。


そこに猿楽がやってきて


「シャーク!フック!何してるの?」


フックが答える


「少しお話を」


猿楽は疑問の表情で


「話?」


猿楽が誰と話してたのか、と辺りを見回すと、空を飛んで離れていくコウモリを見つける


「あ!コウモリの人!」


シャークが猿楽に


「また会いに来るってよ」


猿楽は少し悲しそうにしていたが、シャークの言葉で笑顔を取り戻す


「そっか!またねーー!!」


遠く離れていくコウモリに叫ぶ猿楽


「そうだ!二人とも!テントができたから一緒に休もう!!」


三人はみんなのところに向かう

__________________________________________________

ヴァンピと猫が会話している


「陛下、これからどうしますか?」


猫は答える


「どうするかにゃあ?そろそろ動くかにゃ…」


ヴァンピは猫に


「召集しますか?」


猫は玉座の側に置いてある自分のレイピアを抜き、ニヤリとする


「ヴァンピ、全員集めろ。我も暴れたくなってきたにゃ」


ヴァンピは答える


「かしこまりました」


ヴァンピはコウモリを飛ばす

__________________________________________________

一夜明け、猿楽達は朝ご飯の準備をしている


シャークは猿楽に


「すげーな、一晩このテントで休んだだけで身体も魔力もだいぶ回復してる」


猿楽は嬉しそうに


「よかった!あのスキルを取得して正解だったね!」


エンマは猿楽に


「猿楽!手伝ってくれ!」


猿楽は元気に答えて、エンマの方に向かう


「おっけー!!」


シャークの所にフックが来る


「シャーク、身体の方はどうですか?」


シャークは答える


「だいぶマシだな、傷もそうだが、魔力が回復しているのがでかいな」


フックはシャークに


「猿楽はこれからどうなると思いますか?」


シャークは答える


「どうなるって、猿楽は別に今後もあのままだろ」


フックはみんなに聞こえないように小さい声で


「陛下の敵になると思いますか?」


シャークは一瞬驚くが、笑って


「シャッシャッシャ!そんな奴じゃないだろ、そもそも陛下と目的も違うだろ」


フックは考えながら


「猿楽の目的…なるほど、シャーク。いいところに気づきました」


シャークは疑問の表情で


「あ?何の事だ?」


シャークの質問に答える間もなくフックは猿楽の所へ行く


「猿楽、私も何か手伝います」


猿楽はフックに


「ありがとう!じゃあこの食器を並べるの手伝って!」


フックは食器をいくつか持ち


「かしこまりました」


エンマは料理をしている、そこにシルフが来る


「エンマ、今日は何を?」


エンマは鍋をかき混ぜながら


「人数が増えたからな、今日はカレーだ!」


シルフは疑問の表情で


「カレー?」


エンマは答える


「説明すると難しいけど、カレーを嫌いって奴は滅多にいねぇ!」


シルフは笑顔で


「なるほど、誰もが気に入る味という事ですね、楽しみです」


エンマは続けて


「テントのおかげで魔力が回復したからな、食材はおいらが増やせる、後は肉だな」


シルフは答える


「それならば、私に任せてください」


シャークも聞いていて


「俺も行くぜ、シルフ」


エンマは二人に


「よし!任せた!」


二人は森の中へ向かう


フックは猿楽と準備しながら話す


「猿楽はこの世界で何をしたいのですか?」


猿楽は考えながら


「何をしたい。か…なんだろう?」


フックは悩む猿楽に


「なんでも構いませんよ、どんな事でも」


猿楽は話し始める


「そうだなぁ、俺、夢があるんだ!自分の家を動物でいっぱいにして暮らす事!」


フックは疑問の表情で


「動物?」


猿楽はフックに


「こっちでいう魔物みたいなものかな?」


フックは猿楽の言葉に疑問の表情を浮かべる。


そんなフックに猿楽が


「俺とエンマはこの世界の人間じゃないんだ、詳しくはご飯の時にみんなに話すよ」


フックは驚いて


「この世界の人間じゃない?興味深いですね」


猿楽は笑顔で


「それで!俺の目的っていうか、やりたいことは、家族みんなで楽しく暮らすこと!」


フックは笑って


「いいですね、私も出会えてよかった」


猿楽も笑顔で楽しそうに


「俺もフック達に会えてよかった!これからもっといろんな魔物と出会って家族になりたいんだ!」


フックは答える


「猿楽の性格ならこれから家族はどんどん増えそうですね」


猿楽は答える


「うん!」


森の中で狩りをしているシルフとシャーク。


シルフは茂みに息を潜める、視線の先には鹿のような魔物、ナラシカ。


シャークもシルフの反対側で身を潜めている。


ナラシカの角には鈴の様なものがついている。


シルフはタイミングを見計らい、一気に飛び出す。


ナラシカは驚き、反射的に走り出す、それを見越してシャークがナラシカの目の前に現れる。


シャークはナラシカに噛みつき


侵蝕(END)


ナラシカの角の鈴が森の中に鳴り響く


「よっシャ!」


シルフが寄ってきて


「シャーク、これからみんなで食べるのに、このスキルを使っては駄目なのでは?」


シャークはやっちまったという顔をして


「あ!いやぁ、なんかこいつ結構強そうだったし?」


シルフは冷静に


「シャークならスキルを使わなくても勝てるでしょうに」


シャークは満更でもなく


「まぁな!よし、他のやつ探そうぜ!」


シルフは周りの匂いを嗅ぐ


「先ほどの鈴の音で、もう近くに魔物はいないですね」


シャークは残念そうに


「マジかよ…」


そんな二人の元に星助が来る


「あっちに微かだけど魔力を感じる、ボクにも手伝わせて」


シャークは嬉しそうに


「ナイスだ!星助!行くぜ!」


シルフは星助を褒めて


「さすがですね、狩りに興味があるんですか?」


星助は答える


「うん!ボクも強くなりたい!」


シルフは笑顔で


「わかりました、ゆっくり覚えていきましょう」


Jr.も近くにいて


「抜け駆けは駄目だよ!ホッシー!」


星助は振り返って


「ジュニ、いるのは知ってたよ」


Jr.は答える


「ホッシーの魔力感知はすごいね!僕も負けてられない!」


シルフは眼を丸くして


「いつの間にそんなに仲良くなったのですか?」


Jr.は答える


「お兄ちゃんが仲良くなるの遅いんだよ!僕達に戦い方を教えてね!」


シルフは微笑み


「わかりました。でも二人とも無理は駄目ですよ」


二人は返事をして、星助の感知で狩りに向かう。

__________________________________________________

食卓にカレーが並び、みんながワクワクして席についている


エンマが話し始める


「みんな待たせたな!これがカレーだ!!」


みんな楽しみにしている、猿楽が


「よーし!食べよう!せーの!」


いただきます!とみんな口々に言い、カレーを食べる。


辛そうにしていたり、美味しさに感動していたり。一心不乱に食べたりしている。


ご飯を終え、みんな満足している中で猿楽が話し出す。


「みんな!話したいことがあるんだ!」

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