第一部 夢の一歩 15話
テントのところまでたどり着いた猿楽達
エンマがテントの前で出迎える
「またなんか増えてきたな!」
猿楽はニコニコしながら答える
「エンマ!新しい仲間だ!」
ナヘカが口を挟む
「仲間になった覚えはねぇ!」
エンマはなんとなくどういう経緯か察して
「あー、とりあえずよろしく!」
エンマはシルフに向かって
「シルフ!状況説明頼むわ!」
シルフとエンマはテントから少し離れて話をする
コウモリが猿楽に
「このテントに入れば回復も可能なんですか?」
猿楽は答える
「回復?それはどうだろ?」
ナヘカはツッコむ
「おい!回復できなきゃ意味ねぇだろ!」
猿楽は考えながら
「ちょっと待ってね、聞いてみる!」
グーフォは疑問の表情で
「聞く?とは、誰に?」
グーフォが質問するより先に猿楽はテントに話しかけていた
「回復スキルってある?」
:“猿楽の家“が取得可能な回復スキルはこちらです。
テントの前にスキルが並ぶ
猿楽はナヘカに
「回復できるみたい、よかったな!」
ナヘカには文字が見えていないので訳が分からず
「あ!?どういうことだよ?」
猿楽はスキルを選択する
:スキル 回復領域を取得しました。
:“猿楽の家“にいる間は徐々に状態が回復します。
:スキルポイントがなくなりました。
:取得可能ポイントがあります。“猿楽の家“に戻った際に付与されます。
:スキルを発動しますか?
猿楽は“はい“を選択する
:スキルが発動しました。“猿楽の家2“にいる間もスキルの効果を受けられます。
猿楽は満足そうに
「よし!これでテントに入って休めば回復できるぞ」
グーフォも考えながら
「このテントは何か特別な力があるんですか?」
猿楽は答えようとするが詳しく説明もできないので
「んー、まぁそんな感じ!」
猿楽は適当な答えを返しながら、ナヘカ達の登録に移る
:個体名 シャーク を登録しました。
:個体名 フック船長 を登録しました。
:個体名 バットマン は登録できません。登録個体に問題があります。
猿楽は疑問の表情でコウモリに話しかける
「あれ?君だけ名前を登録できないんだけど、なんでかわかる?」
コウモリは答える
「名前?登録とは?」
猿楽は説明していなかったことに気づき
「あ!説明してなかった!このテントに入るには名前をつけて登録しないといけないんだ!」
コウモリは答える
「なるほど、それで安全だということですね」
グーフォは疑問に思い
「名前?」
猿楽は勝手につけた名前を伝える
「君がグーフォで、君がナヘカ!」
ナヘカはキレて
「はぁ!?俺にはナヘカって名前があんだよ!!」
猿楽は驚いて
「え!!そうなの!ごめん!!」
グーフォも冷静に
「私にもグーフォという名前が」
猿楽は慌ててテントに話しかける
「名前変更!!」
:一度登録された個体名は変更できません
猿楽はやっちまった顔をして二人に
「ごめん、変更できない…」
ナヘカはブチ切れる
「何してんだ!!テメェ!!!」
グーフォは怒りつつも
「全く…。ナヘカ、騒いでも仕方ありません。とりあえず回復しましょう」
猿楽はナヘカに怒られながら
「ごめんって、でもいい名前だからさ!」
ナヘカがツッコむ
「どこがだ!!」
そこにエンマが猿楽に飛び蹴りしながら
「さっさと入れ!!!!」
ナヘカとグーフォを抱えたまま猿楽はテントに転がり込んでいく
エンマは飛び蹴りから着地すると、コウモリに
「話聞かせろ」
コウモリは答える
「なるほど、理解しました。あなたがこの一団の頭脳なんですね」
エンマは答える
「おいらがやらざる負えないだけだよ」
コウモリは笑いながら
「面白い方々だ、どうやら私は分体だからかテントに入れないのでここでお話しても?」
エンマは答える
「ああ、わかった」
エンマとシルフ、コウモリは外で、他はテントの中でそれぞれ会議を始める
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テントの中で起き上がりながら猿楽が話し始める
「それで、これからどうする?」
ナヘカはツッコむ
「お前何もわかってねぇな!」
グーフォが話し始める
「まずは戦力を確認しましょう」
猿楽は敬礼しながら
「はい!キャプテン!」
グーフォは疑問の表情で
「キャプテン?」
猿楽は答える
「フック船長だから、キャプテン!」
グーフォは理解はしてないが話を続ける
「まぁ、いいです。そちらで戦闘ができるのは?」
猿楽は答える
「シルフとエンマかな?」
ナヘカが
「二人しかいねぇのかよ!どうする?キャプテン?」
ナヘカがイジるようにグーフォをキャプテンと呼ぶ
グーフォは少しムッとしながら
「四人でどうにかあの二体を倒さないといけない訳ですか…」
猿楽はその言葉に反応して
「倒しちゃダメだ!あの二人はシルフの両親なんだ!」
ナヘカが答える
「あれはもう正気じゃねぇ、ただのモンスターだ」
猿楽は反抗する
「それをなんとかできるって、コウモリの人が」
グーフォが答える
「魔石のみを破壊するということでしょう、しかしあのレベルの魔物となると相当難しいですよ」
猿楽は諦めない
「それでも、やらなきゃいけないんだ!」
猿楽の真剣な顔に、ナヘカが反応する
「へっ、お前、猿楽?だっけか、いい根性してんじゃねーか」
グーフォが話す
「根性があっても、難易度は変わりませんよ」
ナヘカは答える
「でも可能性はある」
猿楽は覚悟を持った顔で
「俺にできることがあればなんでもする!だから、協力してくれ!」
ナヘカは答える
「猿楽、俺は気に入ったぜ!どうする?キャプテン?」
グーフォは少しため息をついた後、ワクワクした顔になり
「やりますか」
猿楽は嬉しそうに
「ありがとう!やろう!俺たちで!」
そこにエンマとシルフが入ってくる
「おいら達も入ってるよな?」
猿楽は答える
「もちろん!!」
エンマは話し始める
「状況はコウモリから聞いた。これから作戦を考える。えーっと」
ナヘカとグーフォを見るエンマに猿楽が
「ナヘカとグーフォ!」
エンマは察し
「なんか、ごめんな、うちの猿楽が」
グーフォが答える
「あなたは話が分かりそうだ」
ナヘカも
「お前も頭脳派か?俺は肉体派だ!」
エンマはナヘカよりもグーフォに伝えるように
「おいらとフックで作戦を考える、シャーク達はしばらく休んでてくれ」
ナヘカは
「シャークってのもまぁ悪くねぇ」
猿楽は嬉しそうに
「本当に!!じゃあシャークって呼んでもいい?」
ナヘカは答える
「好きにしろよ、名前なんて関係ねぇ、男は気持ちだろ?」
猿楽は胸に手を当てながら
「おう!改めてよろしく!シャーク!!」
エンマはグーフォに
「あの馬鹿二人はほっといて、スキルとか色々教えてくれ、フック」
グーフォは答える
「そうですね、ちなみに私のことはキャプテンと呼んでください」
エンマは笑いながら
「なんだよ!ちょっと気に入ってんじゃん!」
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テントの外で見張りをしているコウモリ、一人で呟くように話し始める
「いかがですか?陛下」
猫の声がする
「にゃっははは!」
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笑い声と共にヴァンピと猫がいる場所
「中々面白くなってきたにゃ!ヴァンピ」
ヴァンピは答える
「ええ、そうですね。あの人間の力も面白いですが、何より性格が面白いです」
猫は嬉しそうに
「ヴァンピも珍しく楽しそうだにゃ!それに仲間達も面白い奴ばっかりにゃ!」
ヴァンピの口角が少し上がり
「ナヘカとグーフォはシャークとフック船長という名前が付いたようです」
猫は笑い
「にゃはは!いい名じゃにゃいか!」
ヴァンピは少し険しい表情で
「このまま二人があの人間達に付く可能性もあるかと」
猫は答える
「それならそれでいいにゃ!まとめて配下にするにゃ!」
ヴァンピは続ける
「それならそれで良いのですが…」
猫は疑問の表情で
「何を心配しているのにゃ?ヴァンピ」
ヴァンピは答える
「あの猿楽という人間と少し関わりましたが、不思議な雰囲気を持っているというか、このままたくさんの仲間を増やしていくという確信すら覚えました」
猫は笑いながら
「我にとって脅威ににゃると?」
ヴァンピは答える
「その可能性もあるかと」
猫は一瞬真面目な顔になるが、すぐに戻り
「大丈夫にゃ!あの人間に野心は無いのにゃ!」
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テントの中で話している猿楽達一行
「作戦は以上だ、猿楽!ちゃんと覚えたか?」
エンマは猿楽に確認する
「大丈夫!なんとかなる!」
グーフォが呟く
「質問の答えにはなってませんね」
エンマはグーフォに
「話のわかるやつが増えて、おいらは嬉しいよ」
猿楽はそんな話がされてるのは露知らず
「よし!じゃあシルフの両親をみんなで助けにいくぞ!!」
すみません!次話からナヘカとグーフォはシャークとフック船長で書きます!
覚えていただいたかと思いますが変えてしまってすみません!
猿楽が名前付けちゃったので許してください!!