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第一部 夢の一歩 14話

遅くなりました。14話です!


特に基準は決めてないけど、気持ち的に遅くなってすみませんって気持ち。

エンマに駆け寄る猿楽


「エンマ!おかえり!」


猿楽は苦しそうな星助と小さなシルバーウルフを見て


「どうした!?星助!シルフの弟も!」


シルフも駆け寄ってきていて


「大丈夫ですか!!」


エンマはヘロヘロになりながら


「星助は探している途中で急に倒れて、シルフの弟は見つけた時にはボロボロだった…」


猿楽はそれを聞き、星助を抱えて、テントに向かう


「星助!すごい熱だ…よく頑張ったな!」


シルフは弟に抱きつき


「よく生きていてくれました!もう大丈夫ですよ!」


シルフの弟はボロボロの状態でうっすら目を開き


「お…兄…ちゃん……」


シルフは弟の言葉に耳を傾ける


「どうしました?安心してください!」


シルフの弟は必死に


「父ちゃん…と……か…ぁ…ちゃんが…」


その時、また激しい音がする


エンマは疑問の表情で


「探してる時から気になってたんだけど、この音は一体なんだ?」


猿楽が答える


「星助の言ってた大きな魔力ってやつが誰かと戦ってるみたいなんだ」


エンマは考え


「そうか、、それなりに近いな…ここを離れた方がいいんじゃないか?」


猿楽はテントの方を見て


「星助があんな状態だし、シルフの弟も…」


シルフの方を見ると、弟が必死で何かを伝えようとしている


「ここに…父ちゃんと…母ちゃんが……」


シルフはそれを聞き、慌てて聞き返す


「ここに父と母がいるんですか!?」


シルフの弟はシルフに


「助けて…お兄ちゃん…」


シルフは猿楽に


「マスター、弟をテントに!」


猿楽はシルフの弟を抱き抱えて、テントの前に立つ


「名前どうしよう…」


シルフは猿楽に


「マスターがつけてください」


猿楽は嬉しそうに


「いいのか!!」


エンマは変な名前が付かないかと、不安そうに見ている


「よし!決めた!」


:個体名 Jr.(ジュニア) を登録しました。


エンマはすかさず


「Jr.って!!シルフの子供じゃないぞ?」


猿楽は確かに、という顔をしながらも


「いや、小さいっていう意味だよ!」


エンマはツッコむ


「成長したらどうするんだよ…」


何も言えない猿楽にシルフが


「良いと思いますよ。ありがとうございます。マスター」


猿楽はエンマにドヤ顔をし、シルフに


「そうか!よかった!」


シルフは覚悟を持った顔で


「マスター、お願いがあります」


猿楽は内容を聞く前に答える


「一人では行かせないぞ、俺も一緒に行く」


シルフは驚いた顔をするも


「いや、マスターにはテントを守って…」


シルフの言葉を遮るようにエンマが


「テントはおいらが守る。それぐらいはできる」


シルフは猿楽とエンマの顔を見て何も言えずにいる


また大きな音が聞こえる


猿楽がシルフに


「急ごう!シルフ!」


そう言って走り出す猿楽に


「マ、マスター!」


シルフの背中を押すようにエンマが


「ああなったら止まらないの、いい加減覚えろよ」


シルフは先ほどより少し落ち着いた表情で


「そうですね、ここを頼みます!」


そう言って、シルフは猿楽を追って走り出す


エンマは送り出すように叫ぶ


「おう!任せろ!!」

__________________________________________________

二人にとって最強の技を出し、魔力を使い切った様子のナヘカとグーフォ


大技によって起きた煙がだんだん薄くなり、その先を見据えるナヘカ


「おいおい、マジかよ…」


グーフォもその光景に、呆れた顔で


「これは…困りました…」


二人が見つめるその先には、大ダメージを食らったもののまだ生きている先ほどの魔物の背後に煙でよく見えないが、同じぐらいのサイズの魔物の影が見えていた…


光る眼光は確実にこちらを向き、一歩、一歩近づいてくる


そしてその姿が見える…


シルバーウルフの上位種、ウォルフガング。


ナヘカは動けないまま、キレる


「2体なんて聞いてねーぞ!!ヴァンピ!!」


ヴァンピは答える


「私も知りませんでしたので」


グーフォはナヘカに


「2体とも、様子がおかしいです」


ヴァンピが答える


「魔力暴走でしょう。ダンジョンの核となる魔石と共鳴し、魔力を引き出された」


グーフォは疑問の表情で


「その場合、ダンジョンの主になるだけで、魔力暴走はしないのでは?」


ヴァンピはそれに対し


「状況によります。私も詳しくは知りませんが、必要以上に魔力を引き出され、自我を失ってしまう。理由はどうあれあの2体はこのダンジョンの主であり、通常よりも成長した個体」


グーフォは続いて


「それに加えて、自我は無く、暴走していると…」


ナヘカはキレながら


「冷静な分析してんじゃねーよ!!あの2体をどうにかしなきゃ死んで終わりだろ!!」


そこに猿楽とシルフがやってくる


「で、でけー!!」


猿楽が叫ぶ中、シルフも驚いた様子で


「これは…」


猿楽はシルフに


「あれがシルフの両親か?」


シルフは確証が持てず


「どうでしょうか…それに様子が変です」


そんな二人を見ながらナヘカは


「誰だ?あいつら?」


グーフォは


「もしや、あれが?」


ヴァンピは答える


「はい、あれが陛下が気に入っている人間です」


ナヘカは笑いながら


「あんな奴が、陛下を傷つけたのかよ!」


グーフォも苦笑しながら


「にわかに信じがたいですね…」


ヴァンピの声がしていたコウモリから猫の声がする


「あれは嘘にゃ!我はピンピンしているにゃ!」


ナヘカとグーフォは驚き


「はぁ!?陛下!!」


猫は大笑いしながら


「にゃははは!!ビックリしたかにゃ??」


ナヘカは少しキレながら


「なんの意味があるんすか!!」


グーフォは冷静に


「我らで楽しんでおられたのですね」


猫は答える


「楽しませてもらったにゃ!だから普通にあの人間を助けてやって欲しいにゃ!」


ナヘカはツッコむ


「いや、普通に助けて欲しいのはこっちなんすけど!」


グーフォは猿楽とシルフを見ながら


「どうやら訳ありの様ですよ」


猿楽はウォルフガングの前に立ち


「シルフのお父さん!!それかお母さん!!わかりませんかー??」


ウォルフガングは叫ぶ


「グルルルルァァァァ!!!」


猿楽はシルフに


「ご両親ご機嫌悪い??」


シルフはウォルフガングの叫びに少し恐怖しながら


「どうやら正気では無いようです」


猿楽は


「どうしたらいいんだ??」


シルフは答える


「わかりません…」


そこにコウモリが飛んでくる


「お話宜しいですか?」


猿楽は驚き、シルフは警戒する


「わぁ!喋るコウモリ!!」


コウモリは話を続ける


「これは私の分体です、遠くからこのコウモリを使って話しかけていると思っていただければ」


猿楽は若干落ち込みながら


「なんだ、喋るコウモリじゃないのか…」


シルフはコウモリに話しかける


「何の用ですか?そもそも今は話してる余裕はないんですが」


コウモリは答える


「状況は理解しています。しかしどうやら一体がやられているせいか今は警戒しているだけのようです」


猿楽とシルフはやられているもう一体を守るように立っているウォルフガングを見る


コウモリは話を続ける


「あの一体をやったのは、あそこで転がっている2体の魔物でして、彼らを助けていただけませんか?」


猿楽とシルフはコウモリが指す方向を見る


「彼らが…」


シルフが呟く、その隣で猿楽はハイテンションで


「フクロウと蛇だーーーーー!!!!」


猿楽は走って駆け寄る、シルフはビックリしながら


「マスター!危険かもしれません!!」


猿楽に抱き抱えられるグーフォ、そしてナヘカの側にも来たところで


「俺に触んじゃねぇ!!」


猿楽は驚いて立ち止まり


「喋る蛇だー!!」


目を輝かせる猿楽にナヘカは


「あ?俺ぐらいになれば喋ることなんて簡単なんだよ!!」


猿楽はナヘカのそばにしゃがみ込み


「そうなのか!すごいな、お前!」


ナヘカは褒められて、少し嬉しそうな顔をする。そんなナヘカを見てグーフォが話し出す


「単純ですね、あなたは」


猿楽は突然喋り出したグーフォに驚きながらもまた嬉しそうな顔をして


「お前も喋れるのか!!」


そこにシルフがやってきて


「マスター!大丈夫ですか?」


猿楽はシルフに


「シルフ!すごいんだ!この二人喋れる!!」


シルフは驚きながら話しかける


「危害を加えないのであれば助けます」


ナヘカが答える


「今は一ミリも動けねーんだよ!見てわかんだろ!」


グーフォはナヘカの言葉を訂正するように


「動けたとしても危害は加えませんよ、助けてください」


ナヘカはグーフォに


「助けてくださいなんて言うんじゃねーよ!!」


そんな会話をしている中、ウォルフガングが再び叫ぶ


「グルァァァァァァ!!!」


コウモリが話す


「一旦ここを離れましょう、詳しい話は移動しながらで」


猿楽はナヘカも抱き抱え


「よし、一旦戻ろう!」


シルフはウォルフガングを見つめる。そんなシルフにコウモリが


「方法はあります。それについて話すためにも、一度引きましょう」


シルフは驚き


「あるのですか!」


ナヘカは猿楽に抱き抱えられ騒いでいる


「おい!触んな!人間!」


猿楽はニコニコしながら


「そっか!俺は猿楽って言うんだ!よろしくな!」


ナヘカは叫ぶ


「名前なんて聞いてねぇ!!」


騒ぎながらも一度、テントに向かう一向であった。


ダメージはあるものの立ち上がるウォルフガング、二体の目に去っていくシルフが映る。

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