第一部 夢の一歩 13話
2話一挙公開しちゃうぜぇ〜
星助は呼吸が荒く苦しそうにしている
エンマは突然倒れた星助を介抱しながら声をかける
「どうして急に…」
星助の状態を確認するエンマ
「すごい熱だ…」
星助は苦しそうにしながらエンマに
「エンマ…あと少し…あそこまでいけば…」
星助はエンマに必死で魔力を感じる方を教える
「わ、わかった!あっちだな!」
エンマは星助を抱えながら進む
曲がり角に辿り着き、星助は方向を指差す、エンマはそれに従う
少しひらけたところに出たところで道が三つある
エンマは星助に指示を仰ぐ
「星助、次はどっちだ?」
星助はさらに苦しそうにしていて、指示を出せない
「大丈夫か!?くそっ、おいらにも魔力がわかれば…」
その時、大きな音が聞こえ、激しく揺れ、星助を離してしまう
「何だ!?外で何かが…」
周りを気にしながらも星助のところに向かうエンマ
星助は苦しそうにしながらも、行きたい方向へ這って向かおうとする
「ごめん!星助!無理すんな!」
エンマは星助を抱えて、星助が必死に向かおうとしていた方向へ向かう
「こっちでいいんだよな?星助」
星助は小さく頷き、心の中で
「今、助けるから、もう安心していいよ」
エンマは言われた道に進む。するとそこは行き止まりになっていて、そこにはボロボロで倒れている小さなシルバーウルフがいた
「大丈夫か!助けにきたぞ!」
小さなシルバーウルフは警戒するもののそんな体力は残っていなかった
「お前のお兄ちゃんの友達だ!安心しろ!」
エンマは小さなシルバーウルフを安心させようと話す
それを聞いた小さなシルバーウルフは警戒を解き、動かなくなってしまう
「おい!大丈夫か!死んじゃいないよな?」
エンマは星助と小さなシルバーウルフを見て
「これ、おいらどうすりゃ良いんだ!!」
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ナヘカとグーフォは戦闘を続けている
大きな何かは叫び、暴れている
ナヘカはその様子を見ながら
「俺の毒が効いてねーのか?」
グーフォは観察し分析する
「効いてはいますよ、ただ恐ろしい魔力の量で再生を繰り返しているようです」
ナヘカはそれを聞き
「どうにかなんねーのか?」
グーフォは答える
「再生ができなくなるほど毒を与えたら良いんじゃないですか?」
ナヘカはグーフォにイラつき
「あ!?脳筋かよ!こっちの魔力が無くなるわ!」
グーフォは淡々と
「できないんですか?根性ないですね」
ナヘカは怒り
「やってやるよ!!見てろよ!この野郎!」
グーフォはナヘカに聞こえないように
「結局、あなたは脳筋なんですよね」
ナヘカは噛んで噛んで噛みまくる、大きな何かも黙って噛まれるわけもなく反撃をしてくる。
ナヘカは何度かクリーンヒットしているが、いつの間にか回復している。
グーフォも隙を見て、動きを止めたり、攻撃を加えるものの、大きな何かは未だ暴れ続けている。
「埒があきませんね」
ナヘカはグーフォのところまで、下がってきて
「どうだ!効いてんだろ!」
グーフォは答える
「まあ、さっきよりは、そんなことよりあと何回脱皮できるんですか?」
ナヘカは少ししんどそうに
「3回だな」
グーフォは考えながら
「このままでは勝てませんね、やり方を変えないと」
ナヘカはグーフォに
「3回だ、俺はあと3回脱皮できる、それまでに考えろ!」
グーフォはそう言われ
「そのまま倒してくれても良いんですよ?」
ナヘカは鼻で笑い
「ふん、減らず口が」
ナヘカは再び突っ込んでいき、グーフォは考える
「我々のダメージは確実に効いている…何か、何か大きな一撃を与えられれば」
その時、ずっと見ていたヴァンピが話し始める
「ちょっと宜しいですか?」
グーフォは強めに
「手助けは無用!我々だけで…」
グーフォの言葉を切るように
「我の言葉を聞くにゃー!!」
グーフォは少し驚き
「陛下?」
コウモリから猫の声が聞こえる
「なぜ、あの技を使わんのにゃ?」
グーフォは少し焦った様子で
「あの技は…確かにそうですね」
猫は笑いながら
「あの技は我も痺れたのにゃ!し・か・もあの頃より強くなってるであろう?」
グーフォは笑い
「あの技は我々の魔力のほとんどを使ってしまいます…倒しきれなければ見捨ててください」
猫は答える
「人間達はどうするのにゃ?」
グーフォは答える
「ヴァンピ様がいるではないですか」
猫は少し怒った口調で
「我の命令を他のものに託すと言うのかにゃ?」
グーフォは何も言えず、ナヘカが叫ぶ
「おい!3回だ!!どうすんだ?」
グーフォはナヘカに
「ナヘカ!あれをやります!」
ナヘカは少し驚き、そして楽しそうな顔をして
「あれを?まぁ確かにあれぐらいやらなきゃな!シャアッ!!」
そんなナヘカを見てグーフォは猫に
「陛下、勝ちます…私は少し考えすぎていたようです」
猫は笑って
「にゃはは!それで良いのにゃ!楽しませてもらうにゃ!」
グーフォはスキルを唱える
「羽根の舞、蜂!まとわりつけ」
羽根は蜂のように飛び回り大きな何かにまとわりつく
ナヘカはその隙にグーフォの元へ戻ってくる
「じゃあいっちょやるか!相棒!」
グーフォは少し笑い
「感謝しますよ、あなたの馬鹿さに助けられました」
ナヘカは怒って
「今馬鹿って言ったか!?」
グーフォは騒ぐナヘカを掴み飛ぶ
「言ってませんよ、そんなことより準備はいいですか?相棒」
ナヘカは気合を入れ
「おう!いつでもいけるぜ!」
二人に気合が入った頃、大きな何かがまとわりついていたグーフォの羽根を振り払う
「グオオオオオオオオ!!!!!」
ナヘカは大きな何かの雄叫びを聞きさらにテンションが上がる
「シャアアアアア!盛り上がってきたぜ!」
グーフォもテンションが上がっているような表情で
「私も気持ちが昂ってきましたよ!ナヘカ!」
ナヘカは真っ直ぐに敵を見据えて答える
「おう!!」
グーフォはナヘカを飛ばしスキルを唱える
「影縫い!!」
グーフォの羽根が大きな何かの影に刺さり動きを止める、飛ばされたナヘカもスキルを唱える
「起きろ!分身!拘束しろ!」
ナヘカの脱皮した皮が起き上がり大きな何かを拘束する
ナヘカはグーフォに叫ぶ
「長くは持たねーぞ!!」
グーフォは次の準備に取り掛かりながら答える
「わかってますよ!羽根の舞、牙の鎧!!」
グーフォの羽根がナヘカに鎧のようにまとわりつき、顔部分には大きな牙のような形を作り出す
「きたぜ!きたぜ!大侵蝕!!」
ナヘカの牙がドス黒い赤に変色する、そしてそれは鎧も変色させていく
「グーフォ!!」
ナヘカの叫びにグーフォは最後の仕事をする
「突風!!後は頼みます…」
グーフォは突風を起こして、地面に落ちていく
ナヘカは自分すらも侵される毒を纏いニヤリと笑う
「飛ぶぜ!」
グーフォの起こした突風に乗り牙を剥き出しにして突っ込むナヘカ
その頃、大きな何かは拘束を解いた
「もうおせーよ!食らえ!」
ナヘカは突っ込みながら、グーフォは地面に落下しながら二人で技名を叫ぶ
「悪魔の一噛み!!」
ナヘカの噛みつきに合わせてグーフォの作った羽根の牙も同時に噛みつき大きな何かは悲鳴をあげる
「グオオオオオオオオ!!!!」
ナヘカを吹き飛ばし燃えるような痛みに悶える大きな何か
ナヘカはグーフォの近くまで吹き飛ばされ満身創痍で
「これでジ・エンドだ」
グーフォも動けない状態で
「それダサいんで言うのやめてもらえます?」
ナヘカは怒りつつも笑い
「あ?めちゃくちゃカッコいいだろうが…」
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激しい戦闘音を聞き、ソワソワしながらエンマと星助の帰りを待つ猿楽とシルフ
そこにエンマが星助と小さなシルバーウルフを抱えて帰ってくる
「今…戻ったぜ…」
疲労でその場に倒れ込むように戻ってきたエンマ
猿楽は急いで駆け寄り
「エンマ!!おかえり!!」
シルフは涙を堪えて
「星助!エンマ!ありがとうございます…」
ナヘカは技が決まった後にあれを言いたくて、イーエヌディーって技名にしたという話が…
厨二病真っ盛り!