第一部 夢の一歩 12話
先の構想考えて勝手に盛り上がってるけど、そこまではよ書けってことよね〜
星助が魔力感知出来ることに驚いている三人
猿楽が驚きながら
「魔力がわかるの!?」
星助は覚えたての言葉で
「この洞窟も魔力感じたから」
エンマもまだ驚いたまま
「そういうことか!」
シルフもさすがに驚いた様子で
「言葉を覚えたと思ったら魔力感知まで…」
エンマは星助に
「シルフの弟達の魔力もわかるか?」
星助は目を瞑り感覚を研ぎ澄ます
「わからないけど、すごい弱い魔力があっちの方」
シルフは嬉しそうに
「きっとそれです!案内してください!」
猿楽が星助を抱き抱え、エンマはシルフの背中に乗り、星助が指差す方へ向かう
「星助!すごいな!!」
星助の案内する方へ向かいながら猿楽が星助を褒める
「ボク、役に立った?」
星助は嬉しそうに言う、シルフがいち早く答える
「星助は弟達の命の恩人です!」
エンマも星助に
「ここまで来れたのも全部星助のおかげだ!」
星助が嬉しそうに
「やった!」
猿楽は号泣しながら
「すごいよ〜!!うちの子すごいよ〜!」
そんな猿楽を見てみんな笑いながら魔力の感じる方へ走っていた
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猫は笑っている
「あの時のピッグルーか!あの人間の周りには面白い奴が集まるにゃ!」
ヴァンピも星助の成長に驚いている様子で
「言葉を覚え、自身の能力を使いこなすとは、驚きの成長速度です」
猫もそんなヴァンピを見て
「ヴァンピも興味が湧いてきたのにゃ、あの人間に」
ヴァンピは答える
「正直驚かされることばかりです。陛下の目に狂いはないかと」
猫は高笑いし
「にゃっはっは!そうであろう!あの人間の不思議な力、もっと詳しく知りたいのにゃ!」
ヴァンピは少し険しい顔をして
「しかし、あの人間が力をつけ、陛下と敵対するようなことがあれば…」
猫はそれを聞いて、鋭い目つきになり
「魔王である我に勝てるものなどいないわ、敵対するようなことがあれば殺す…ただそれだけのことだ」
ヴァンピは膝をつき
「要らぬ心配でした。陛下の思うままに…」
猫は再び笑い
「今が楽しければそれで良いのにゃ!!」
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グーフォとナヘカは傷だらけになっていた
ナヘカはグーフォに
「おいおい、なんだあいつ、桁違いじゃねーか」
グーフォも痛みに耐えながら
「まだまだ上がいるものですね」
ナヘカはイライラしながら
「でもあいつ普通じゃねーだろ?自分の傷も気にせず暴れまくってる」
グーフォは考えながら
「どうしてああなったのかわかりませんが、暴走している様子ですね、このまま放っておいてもいずれ倒れるでしょう」
ナヘカはグーフォの言葉を聞き
「は!?勝ち逃げかよ!それでいいわけねぇだろ?」
グーフォも諦めてはいない表情で
「それは許しませんね、何がなんでも勝たないと陛下に会わせる顔がありません」
ナヘカも気合いを入れ
「何より俺たち自身がこのままじゃいられねーんだよ!」
ナヘカとグーフォは再び大きな気配の方へ向かう
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星助の案内でダンジョンを進む猿楽達
「猿楽!こっち!」
星助は壁を指差す
「こっちかー!エンマ!どうする?」
エンマは壁に耳を当てる
「この壁空洞か?」
シルフが助走をとり
「エンマ、私がやります!」
エンマと猿楽は壁から離れる、シルフは猛スピードで駆け出し、壁を蹴り壊す
「おお、すげ〜、シルフ!」
猿楽はシルフの蹴りに感動しながら、壁に開いた穴を見る
「何の穴だ?これ?」
大きな空洞の先に小さな穴がいくつかある
「おいらなら入れそうだけど、この先か?星助?」
星助は猿楽から降りて答える
「うん、ボクも一緒に行く」
シルフは自分が行けないことがもどかしいが耐えて
「エンマ、星助、弟達を頼んでも良いですか?」
エンマは答える
「おいらと星助に任せろ!」
星助はシルフに近づき
「シルフはボクの為に戦ってくれた。だからシルフの弟はボクが絶対に助けるよ」
シルフは星助に
「ありがとう。頼みます」
エンマと星助は穴の中に入っていく
猿楽は見送りながら
「なんかあったら戻ってこいよ!」
シルフは心配そうにしながら、小さく
「必ず戻って来てください」
猿楽はそんなシルフを見て
「二人なら大丈夫だ!戻って来た時の為にここにテントを張って守っとこうぜ!」
シルフはそんな猿楽の言葉に
「はい、何があってもここは守り抜きます」
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穴を進む星助とエンマ
エンマは前を進む星助に
「それにしても一体何の穴なんだろうな?」
星助は答える
「多分モーグル達の穴…魔力を感じる…」
エンマは驚き
「モーグルの!?」
そして少し怯えている様子の星助を見て
「星助、お前わかってて一緒に来たのか?」
星助は少し怯えてはいるが、覚悟を持った顔で
「うん、言ったら猿楽とシルフが心配すると思って…」
エンマはそんな星助を見て
「星助…」
星助は魔力を感じて
「こっちはモーグルがいるかも、だからこっちに行く」
エンマは言われた通りに進みながら
「星助、もしなんかあったらおいらが絶対に守るからな!」
星助は笑って
「うん!でも出来るだけ魔物には会わないようにする」
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テントを張り終えた猿楽とシルフは待つことしかできず、落ち着きがない
「あー、大丈夫かなー、襲われたりしてないかなー」
猿楽はウロウロしながら二人を心配している
「マスター、落ち着いてください…二人ならきっと大丈夫です」
そう言いながら、シルフもウロウロしている
その時、大きな音がする
猿楽とシルフは驚き
「何だ!?」
シルフも
「何でしょう?まさか二人に何か!?」
猿楽は慌てている、シルフも最悪のことを考えてしまう…
再び、大きな音が聞こえる
シルフは音の方向を見て
「誰かが戦っている…?」
猿楽は慌てながら
「どうしよう!!シルフ!二人に何かあったのかな?」
シルフは音の聞こえる方向と、その音の感じから
「二人では無い気がします…どこかで別の誰かが戦っているようです」
猿楽はそれを聞きひとまず落ち着き
「よかった…でもこんなところで誰が?」
シルフは考え
「星助が大きな魔力を感じる、と言っていました…おそらくその大きな魔力の正体でしょう」
猿楽は焦りながら
「星助…エンマ…急げ…なんかやばい気がする…」
シルフは心の中で
「おそらく戦闘の影響で…私にもわかるほどの魔力を感じる……あの大蛇よりも遥かに強い魔力が」
猿楽も何かを感じているのか、冷や汗をかいている
「星助が言ってた大きな魔力だとして、そんなのと戦ってる奴がいるってことだよな?」
シルフは答える
「はい、誰かはわかりませんがこのまま戦闘を続けてる間に二人が戻って来れれば良いのですが…」
猿楽も気づいて
「そうか!誰かわかんないけど戦ってくれてるおかげでエンマ達は探すのに集中できてるのか」
シルフは険しい表情で
「はい、しかし他の魔物もいますし、いつまで戦いが続くかもわかりません」
猿楽はそれを聞き
「そうだよな…」
シルフは続けて
「それにもしこちらに来たら、逃げられるかどうかも…」
猿楽は焦った表情で
「そんなにやばいのか?」
シルフは少し震えながら
「あの大蛇の何倍も強いと思います…」
猿楽は穴の方を見て
「マジか…」
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大きな何かと戦っているグーフォとナヘカ
「おいおい、マジかよ!ピンピンしてんじゃねーか!」
グーフォは冷静に
「我々が引いている間に魔物を喰らったようですね」
ナヘカは大きな何かに向かっていき、素早い動きで攻撃を躱しながら、隙を見て噛みつく
「はは!さっきみてぇにはいかねーよ!」
ナヘカが前を張り、グーフォは援護をする
「影縫い」
グーフォは羽根を飛ばし、大きな何かの影に突き刺さる、大きな何かは動けなくなり、ナヘカが噛み付く。
しかしすぐに力づくで拘束を解かれてしまう
グーフォは困った顔で
「簡単に解かれてしまいますね」
ナヘカはグーフォに
「もっと抑え込めよ!」
グーフォはナヘカに
「一瞬で決めてくださいよ」
ナヘカはイラッとして
「ああ!?」
怒りをぶつけるようにナヘカは大きな何かに噛みつき
「侵蝕」
ナヘカが噛みついたところが変色し血が吹き出す
「ジワジワいたぶるのが趣味なんだよ!」
グーフォはそれを聞き
「ふん、負け惜しみを。羽根の舞、槍」
グーフォの羽根が沢山集まり大きな槍になり飛んでいく、ナヘカのダメージがあるにも関わらず飛んできた槍を噛み砕き、ナヘカに攻撃を仕掛ける
グーフォはスキルを唱える
「羽根の舞、盾」
羽根は盾のような形を作りだす、ナヘカを攻撃した大きな何かは攻撃の溜めをし斬撃のような魔力を飛ばす
盾と斬撃がぶつかり激しい音が鳴る
グーフォは押し負けない様に、魔力を込めながら
「ちょっと手伝ってもらえます?」
グーフォの背後にはやられたはずのナヘカの姿が
「いけんだろ?一旦休憩だ…」
斬撃の魔力が消え、盾も羽根に戻り舞い落ちる中グーフォは
「休んでる暇はなさそうですよ?」
ナヘカとグーフォは大きな何かが再び攻撃を溜めてるのを見る
「無限に魔力あんのかよ!?」
理不尽な強さにナヘカは叫ぶ
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激しい戦闘音に落ち着かない猿楽とシルフ…
楽しそうに状況を見ている猫
星助は汗をかいて倒れていて、エンマが焦っている
「おい!星助!急にどうした!?」
ナヘカのスキル「侵蝕」は“イーエヌディー“と読みます。
ナヘカ的にその方がかっこいいんだとか…