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第一部 夢の一歩 1話

初めまして、こんにちは

コツコツ書いてコツコツ投稿します。


よろしくお願いします〜

「遂に夢の一軒家だ」


ここに一つの夢を叶えた青年がいる。

名前は猿楽ましら。周りからはさると呼ばれている。

普通なら嫌がりそうな名前だが彼はこの名前を気に入っている。なぜなら…


「一部屋は狭くて良いから部屋数を増やして、庭もある!この家を夢見て10年かかったがようやく建ったぞー!!」


「キキッ」


「お!お前も嬉しいか!エンマ!」


彼の肩でバナナを頬張りながら鳴いているのはリスザルのエンマ(猿魔)名前のセンス、、、である。


「まずは犬かなぁ、番犬は必要だろう!」


「キー!」


「わかったわかった!とりあえず家に入るか!」


エンマは猿楽の肩から跳び出し庭の木に登っていった。


「エンマはそこか〜、そりゃそうか!腹減ったら中入ってこいよー!」


猿楽はひとまず新居に入り今後の計画を練る事にした。


〜とある異世界〜

兵士たちが魔法を唱える


「ウォーターウォール!」


戦場を駆けるユニコーンにまたがる強者が魔法を唱える


「ヒートタークル!」


「ギャアアアア」


魔物対人間。長きに渡る戦いは今も続いていた。


「一度引けー!!殿は私が引き受ける!」


引くぞー、と声を上げながら引いていく兵士達。

1人残る女性と一頭のユニコーン。


「魔物達もお前のように良い奴であったらな、ニコ」


「ブルルッ」


「この先を通すわけにはいかん!そちらも一度引いてはどうだ!」


「ウォォォ!!」


一際大きいゴブリンが雄叫びをあげて突撃する。それに呼応するように多くのゴブリン達が突撃する。


「通じぬか、仕方ない。せめて苦しまずに」


女性が槍を回すと足元に魔法陣が浮かび上がる


「いくぞ、ニコ」


「ヒヒーン!」


付与エンチャント硬化、アイアンホーン!」

「スキル、フレイムランス」


ユニコーンの角が大きく硬くなり炎を纏う。同時に乗っている女性の槍も炎を纏う。


「貫き燃やせ」


「ブルルァァ!!」


ユニコーンの一歩でゴブリンの胴体に穴が空く。二歩でゴブリン達が宙を舞う、三歩で元の場所に戻り振り返ると、辺りは炎に包まれる。


「しばらくは来ないだろう。私達も戻るぞニコ」


「ブルッ」


彼女についてはまた今度。


〜現代〜

「まずは大型犬がいいなぁ、次はフクロウで、蛇も飼いたいし、餌代も考えて庭に畑作るか!」


猿楽は動物が大好きだった。中でも一番好きなのはリスザル。

エンマは彼の一つ目の夢、“リスザルを肩に乗せて生活する“を叶えた証なのだ。


故に周りから「サル」と呼ばれても彼にとっては嬉しい事なのである。


「キキー」


「お、腹減ったか?ちょっと待ってな、果物の段ボールはどれだったかなぁ」


ごく自然な流れで猿楽の肩へと跳び乗るエンマ、当たり前のように気にもせず果物を探す猿楽。


「お、あったあった。りんごとかどうだ?」


「キッ」


「ん?なんだこれ」


りんごと交換するようにエンマから渡されたのは宝石のような物。


「こんなんどこから拾ってきたんだよ、エンマ」


「キキキッ」


「ふーん、そっか、綺麗だし飾っとくか!」


猿楽はエンマの言葉がわかる。

訳がない、雰囲気で会話している気分になっているだけだ。

ただそこそこ意思疎通は出来てるのであながち間違ってもいない。


「よーし!まずは畑作るぞ畑!」


「キー」


スコップを持って庭に出た猿楽は庭の一角を掘り返していく。

流石に動きすぎて居心地が悪いのかエンマは猿楽の肩を降りて近くの木に登っていく。


「これは大変だなぁ、でもこれから来る動物達のためだ。頑張るぞー!」


いせいせと掘り進めていくと何か硬いものがスコップに当たる。


「ん?なんだでっけー石か?」


掘り起こしてみると、そこにはさっきエンマに渡されたのと同じような宝石が


「おーい、エンマ見ろよこれ!」


エンマが猿楽の方に駆け寄ってくる


「キキー」


「お?そっちも見つけたのか」


エンマは木の上で見つけたのか、三つ目の宝石を猿楽に見せる


「この辺にはこれがいっぱいあるのか?」


猿楽は二つの宝石を手に家に戻る。


「これが高く売れるなら、一気に動物達をお迎えできるな!」


「キキキー」


エンマも嬉しそうに答える


リビングに飾ってあった最初の一つを取り三つをテーブルに集める、すると宝石が光り出す。


「なんだ?光ったぞ、エンマ」


「キー」


エンマは驚き、猿楽にしがみつく。光は大きくなり辺りを包む


「眩しい!なんだこれ!」


ゆっくり目をあける猿楽とエンマ、するとテーブルの宝石が無くなっている。


「あれ?どこいった?」


猿楽とエンマは部屋を探し回る。


「エンマー、あったか?」


「キー、、、」


猿楽もエンマも宝石を見つけることができず途方にくれる。


「まぁ、いっか!畑作り再開だ!」


「キー!」


あまり気にしない性格の猿楽は無きゃ無いでしょうがないので畑作りを再開するべく庭に出ていく


「ん?なんか景色が違う?」


「キ?」


元々田舎の一軒家なので、近くに家はあまり無い、だが何も無さすぎる。


「こんな森の中だったっけか、俺の家?」


「キキキ?」


エンマも不思議そうに辺りを見渡す。


「ちょっと探索してみるか!」


猿楽が森の中に行こうと動き出すとエンマが騒ぎ出す。


「キーッキーッ!キキーッ」


「どうしたんだよ?エンマ」


エンマは怯えた様に猿楽の肩で震える。


「なにビビってんだよ〜」


怯えるエンマをおちょくる猿楽、しかしそんな猿楽も何かの気配を感じ黙り込む。


「ゴクリ」


唾を飲み込み恐る恐る気配の感じる方へと振り返る猿楽。

森の陰から眼光だけが見える。


「なんだあれは…」


ちょうど辺りは暗くなり始め、恐怖が増していく。


「エンマ、家に入れ」


言葉がわかっているのかはわからないが、エンマは猿楽の肩を降り家へと走っていく。


「キキッ!」


エンマは見えない壁に弾かれ猿楽の元へ転がってくる。


「エンマ!大丈夫か!」


何が起こったのか分からず、家の方を見る猿楽。

すると家の門の空中に文字が浮かぶんでいる。


〝猿楽の家”

スキル 安全地帯セーフゾーン

〜主人以外は名前を登録し、主人が認めた者しか入れぬ家〜


「スキル?どういう事だ?」


その意味を考えている間もなく、背後からの気配が増す。


「ガルルルルッ」


エンマは猿楽にしがみつき、猿楽は後ろを振り返る。

猿楽の目に映った者は


「オオカミ?」


〝シルバーウルフ”


「シルバーウルフ?」


猿楽の目に映る生物の頭の上には、種族の名前らしきものが浮かんでいた。


「ウルフ、、、オオカミだぁ!」


エンマは未だ怯えているが、猿楽はオオカミとの出会いに喜びが上回る。


「オオカミって飼えるかな?飼えるよね!エンマ」


「キー!」


シルバーウルフが牙を剥き出しにして飛びかかる。


「うわぁ!」


かろうじて避ける事ができた猿楽は、シルバーウルフと同じ体勢を取る。


「まずは目線を合わせる!そして危険を感じさせない優しい顔!」


猿楽はフニャフニャした顔をしながらシルバーウルフと見つめ合う。肩には同じくフニャ顔をするエンマ


…しばらくの静寂…


「ガルァァァ!!」


静寂を破り飛びかかるシルバーウルフ、両手を広げ迎え入れる猿楽。


「こいつに喰われたらそれでいい、こいつの生きる糧になれるなら」


猿楽に飛びつき肩に噛み付くシルバーウルフ、自分の居ない方の肩が噛まれた様子を反対の肩から見つめるエンマ。


「ぐっ!」


歯を食いしばり耐える猿楽、そのまま優しくシルバーウルフに抱きつく。


そして意識を失った。

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