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堀辰雄と フランス文学 ドイツ文学 その読書遍歴と影響について  改訂版

作者: 舜風人




1、はじめに






堀辰雄という作家はことのほか


フランス文学やドイツ文学を好み


読書渉猟していたことが知られています。




まあ彼だけがそうだった、、、というようなことはなくて


戦前の日本の小説家や詩人は多かれ少なかれ


フランス文学や


ドイツ文学フリーク?だったのです。


それらからつよい影響を受けて


日本の戦前の小説家たちは


自分の小説の糧にしていたのですね。


さてそれでは堀辰雄がどんなフランス文学


ドイツ文学に親しんでいて


それらからどんな影響を受けたのでしょうか?


これから私がわかる範囲で


考察してみたいと思います。






2、堀辰雄とフランス文学・ドイツ文学




まず最初に思いつくのが




彼の代表作「風立ちぬ」ですね。


これはヴァレリーの詩からとられています。


「風立ちぬ、いざ、生きめやも」


ヴァレリーは、フランスの、高等派の詩人で哲学的なポエムを書いた人です。


堀辰雄は小説のタイトルに使うほど共感していたのでしょうね。




以下、彼が読んだ?、と推察される

あるいは触発された思われるフランス文学作品を羅列してみたいともいます。


その多様な読書遍歴から


堀辰雄の並々ならぬフランス文学好き?がわかろうかと思います。




作品名            作者




クレーブ侯爵夫人          ラファイエット


ドルジェル伯の舞踏会       レイモンラディゲ  心理小説です




アドルフ              コンスタン


ポールとビルジニー      サンピエール      田園小説です


アミエルの日記            日記文学の金字塔


エルハジ            ジイド


失われた時を求めて       プルースト  大河時間小説です


タンドルストック         ポール・モーラン


ゲラン詩集


ジャム詩集


ノワイユ伯爵夫人   詩集


テレエズ・デケイルウ        モーリヤック








ドイツ文学ではどうでしょうか?


ゲーテはほぼ全作品読んでいます。


ハイネ


アンデルセン


リルケ詩集  リルケもお気に入りだったようです


マルテの手記   リルケ


などなど読んでしますね






3、堀辰雄の小説世界




ざっと私が知る限りあげてみましたがどうでしょう。


堀辰雄は仏文学にのめりこんでいる?といえるのではないでしょうか。




たしかに彼の作品はどことなく


日本離れしたような


異国ムードの作品が多いですよね?




そして彼がこよなく愛した昭和10年ころの軽井沢です。


彼はそこにロッジ(別荘)を構えて療養生活,、そして作家活動もしていたのですから


その軽井沢の異国ムードと


そしてフランス文学の影響で


勢い日本的な泥くさい、人情噺的小説から隔絶した堀辰雄ワールドともいうべき


あの作品群が生まれてもふしぎはないでしょうね。


ところで、


彼のいわゆる王朝物の小説にしても、」


日本の平安時代の貴族社会ですから


それはもう異世界そのものですしね。




下道人情話なんかとは隔絶した世界ですから。








④結論




堀辰雄は今までの泥臭い日本的な私小説から脱皮して


創作としてのロマンを作ることを提唱して実践したのです。








以下のウイキペディアの記述が的確に述べている通りです




それまで私小説的となっていた日本の小説の流れの中に、意識的にフィクションによる「作りもの」としてのロマン(西洋流の小説)という文学形式を確立しようとした[3]。フランス文学の心理主義を積極的に取り入れ、日本の古典や王朝女流文学にも新しい生命を見出し、それらを融合させることによって独自の文学世界を創造した[4]。肺結核を病み、軽井沢に療養することも度々あり、そこを舞台にした作品を多く残した[2]。







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