浴衣の汗染みはご愛敬
まずは、謝罪を。
投稿途切れてしまい、大変申し訳ありませんでしたああああああ!!!!
これから新人賞の執筆とともに進めていく予定ですのでどうかお付き合いお願いします。
「どうして本屋なんかにいるのよ……探しちゃたじゃない…」
とりあえず水分を補給しないとやっていられないわ。なんて藍子が言うもんだから、俺たちはうちの学校御用達のファストフード店に入っていた。というか連れて来られていた。
藍子はシェイクが飲みたいらしい。俺の金で。レイの方が金持ってるだろ、なんて情けない反論をしてみたけれど、「洸祐に払ってもらわなきゃ気が済まない」なんて言っていた。どういうことだよ。
「で、遅れた理由を一応聞かせてもらおうか」
レイは「別にいいじゃないですか」なんて甘いことを言っていたが、そうもいかない。なけなしの二百円をこいつに奪い取るかのようにおごらされているのだから。
藍子はズコズコと俺の二百円を瞬殺し、口をとがらせて言う。
「まあ、確かに遅れたには遅れたわ。それは謝るわ。でも、本屋にいるとは思わないじゃない。実際私は集合時間の五分後くらいには来ていたわ。だから私は少ししか悪くない」
私が全力疾走しているときにのんきに本屋でくつろいでいたなんて許せないわ…とストローをかんでいる藍子。はしたないからやめなさい!って確か昔親御さんに怒られてたな。後で言いつけてやろ。
「まあ、理由も聞けたことですし、行きませんか? きっと時間ピッタリくらいだと混むと思いますので」
と立ち上がって先を急ごうとするレイのシャツを藍子は引っ張る。
「まあまあ、ちょっと待ちなさいよ。あと一人来るから」
藍子はドヤ顔のようなものをしていたけれど、「あと一人」……。この話の登場人物的に、そしてこの男二人に女一人という構図、加えて夏祭りと言ったら、答えは決まっているようなものだ。
入口の方はガラス張りになっているから、外の様子がよくわかる。藍子もレイガラスに背を向けて座っているから気づかないのだろう。
俺の胸よりも身長が小さくて、慣れない桐下駄をからからと笑わせながら、黒に椿が映える浴衣を着たポニーテルが店内に入ってくる。
いらっしゃいませの声とともに、視線が集まる。まるで皆が夏祭りの予感を感じ取ったみたいだと思った。
赤椿があしらわれた巾着を藍子の頭にクリーンヒット。
「来てやったぞ。藍子」