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少女ネイビーとシャングリラ  作者: オカダ倭
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間章 うまくいっている人生に

これでやっと、自分の人生に説明がついたよ。

人生っていう言葉をこんなたかが二十年やそこらしか生きていない若造に使われたくないって人もいるだろうよ。私だってそう思うさ。

けれどさ、人生100年時代なんて言われるだろ?これは予測でしかないんだけれど、きっと50歳くらいで仕事でも生活にも金にも困らなくなってきたときにこう思うと思うんだよね。『後半分』とか『人生の目的ってなんなんだろう』とかそんなようなことを。

その点私は恵まれているのかもしれないな。人生、そして自分の事は何でも知っているんだから。自分の事は思い通りに動くんだから。

良く思っていたよ。あんなに悩んで、行きたくなかった喧嘩した後の学校。私が夜『どうか何事もなく過ごせますように』と祈っただけで、みんな喧嘩の事を知らんぷりするんだ。忘れ物をした日は、その忘れ物をした授業は休講になる。テストだって自分が勉強したところが出るから、範囲外を勉強したなんてへまをしたことがない。

こんなことがあっても、私はすっかりと、夜に祈ったことも忘れてしまうんだ。何か超常的な力が働いているとも、神様みたいな存在が存在しているかもしれないなんて考えもせずに。

実に滑稽なことだと思うよ。

私は、何でも思い通りになって来たんだ。

そんな恵まれた人生。満ち満ちている人生。そんなものが向こう80年やそこら続いていく。なんの起伏もなく、ただただ平淡な一本道が続いている。

人はこれをきっと幸福なことだというだろう。自分以上に大切なものはこの世に一つとしてないんだから。そのかけがえのないものが、今後一切朽ち果てることなんてないんだから。


私と対を為すような能力を持っている紫吹藍子という女。

どんな奴なのかと、理科実験室に誘い込んだ。

思ったよりも普通な女の子で、ケンジから聞いたような災害を引き起こすような人物だとは思えなかった。幸い友達もいるみたいだしな。確か、袖ケ浦君と降谷君だったかな。もしかすると降谷君は友人というには親しすぎるような雰囲気があったからもっと特別な人なのかもしれないな。


私は心底彼女が羨ましいと思った。

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