間章 プロローグ
四年生であるあの先輩の話です。大体この間章は13話くらいで完結する予定です。
ご意見ご感想ご評価お待ちしております。
やああ。私は成都海というものだ。お初にお目にかかる人もいるのだろうか。まあ、それはそれでいいとして。これから私が語っていくことになると思うから、語り方、仕草、振る舞いで私の人となりを勝手に判断してもらって構わない。私にとって、それほどに意味のないことはないと思っているからね。
さて。
紫吹藍子くんについて。あの忌々しい小娘について。そしてその幼馴染、私の一番のお気に入り降谷洸祐君についての話があった。
なんだか岩ちゃんは私のことを「洸祐君と似ている」という風に表現したらしいのだけれど、これについては私も同感だ。私と彼は似ていると、私自身初めて会った時から思っている。もしかすると、それよりも前かもしれないし、これは嘘かもしれないけれどね。
何なら、私と彼は同一であるといってもいいのかもしれない。ここで重要なのは決して一心同体ではないということだ。似ていると、同一は違っているけれど、どちらかと言えば二心同体という方が正しいと私は思うよ。精神性が似ているのだからね。
とまあ、こんな風に文章をこねくりまわしていても何も始まらないから、ここはひとつ私の昔話に付き合ってはくれないだろうか。
退屈だったならば、読み飛ばしてもらっても構わない――なんてかっこいいことを言いたいところなのだけれど、それはあまりお勧めできないな。これは自意識過剰と思われるかもしれないけれど、この物語は重要であるからだ。
俺の天敵である、紫吹藍子の異質さがわかると思うよ。
あ、ついつい気を緩めてしまったよ。
正しくは、「私」だったね。
ありがとうございます。