表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女ネイビーとシャングリラ  作者: オカダ倭
22/124

東部東上線みたいな名前だな

果たし状。そう書かかれた下には、俺の名前ともう一人の名前が書かれていた。

「そう。これは現生徒会長、鶴ヶ島川越。あの成都海先輩から直々に次期生徒会長を任された張本人」

そして場所は、来週の月曜日、この学校の校庭。

時刻は午後六時が予定されている。

「鶴ヶ島先輩ですか。これはまた難儀なことになりましたね。洸祐さん。」

「ただの生徒会長だろ?何がおかしいことなんだ?ポットでの新人がいきなり『副生徒会長』になったんだからこの対応は適当だと思うんだが……」

「なんだか変な奴じゃのう。自分が矢面に立っているというのにも関わらず、そうも他人ごとのように片付けてしまうとは……まあ、おぬしの言った通り、当然と言えば当然なんじゃよ。人間だれしも少なからず批判を受けるものじゃしな。そうでなければ人間と呼ぶにはいささか不健全じゃ。不完全が故、健全というのもおかしな話じゃがな」

先輩はまたもっともらしいことを言っていた。

流石先輩!とふざけるのはもうよしておこう。シリアスな雰囲気だし。

「でも一つ気になることがあるんじゃが……」

「場所ですよね」

「うむ」

レイが持ち前の洞察力を発揮して、先輩が用意していた答えにたどり着いてしまった。なんというか、参謀って感じなんだよな。袖ケ浦レイという男。さすがに今期の中間テスト学年3位だ。ちなみに俺は下から数えて3番目だった。おそろっち!

「ただ、生徒会長がおぬしに不満をぶつけ、解雇という形にするのならば、校庭である必要がない。例えばこの教室でもいいわけじゃしな。お茶も美味いことじゃし。でも川越の奴は校庭を選んだ」

「もしかすると、それは何か見せしめ的な意味合いがあるんじゃないでしょうか」

校庭ならば、確かに全校生徒からの注目を浴びることができるだろう。だが

「それだと時間がおかしいんじゃないか?六時なら、部活動をやっている生徒はまだしも、帰宅部の皆様方はもう帰ってしまっているからな」

「確かにそうですね」

「そうじゃな」

俺達は探偵じゃないから、事がなかなかに進まないのだった。

本当の探偵がこの三人の中にいれば、「そんなこともわからないのかい、ワトソン君」なんて鼻高々に推理を披露してくれたりするのにな。俺は絶対になれそうにはないが。

俺が探偵になれるかはさておき。

俺には一つ、根本的な疑問というか、前提条件に疑問を呈したかった。まるで数学の問題自体に誤字を見つけてしまい、手を付けられないというような心持だった。

「先輩。一ついいですか?」

「なんじゃ」

――――どうして、生徒会側の先輩が俺にそんなことを……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ