第4話目を覚ますと…
ここは…どこだ?
そうか、あの後誰かに運ばれてここに来たのか…
「おっ!!嬢ちゃん!やっと起きたか!!」
「え、あ、はい、えっと…」
誰だ?このおっさん…
「ああ、いきなりこんなとこで起きて目の前に知らないおっさんがいたらビビるよな!俺の名前はゲイツってんだ、よろしくな!!」
「あ、はい。えっとおれ…私の名前はエリナです。一応冒険者やってます。」
「ほお、そのなりで冒険者って、何かワケありっぽいな!あんま深くは聞かねえけど無理すんなよ!!ちなみに俺の職業は医者だ!!」
「えっ、医者なんですか?てっきり強い冒険者なのかと…」
この毛むくじゃらで不衛生そうな見た目で医者って言われて信じる人いるんだろうか…?
「ほお!いがいと厳しいこと言うんだな嬢ちゃん、俺の娘が助けて貰ったから医療費はタダにしとこうと思ったが、普段の倍取っちまうぞ!?」
「え、あ、ごめんなさい!今一文無しなので出来ればタダにしてください!!」
「ふぅむ、まあ冗談なんだがな!ガッハッハッ!」
「じょ、冗談ですか…」
「びびったか?まあ、そんな話は置いておいてだな、ひとまずは、娘を助けてくれてありがとうな、この恩はいつか絶対返させてもらう。」
「あ、いえ、私は特に助けたって意識よりも体が勝手に動いただけなので…」
「そうか…体が勝手に動いた、ねぇ…もしかして嬢ちゃん勇者にゆかりがあったりするのか?」
「いえ、実は最近記憶を無くしてしまいまして。朝起きたら知らない天井で、外に出たらあんな状況だったので…」
異世界から来たって言うよりはこの方が信じてもらえるだろう…
「そうか、そりゃあ大変だったなぁ…とりあえず俺はあいつにお前が起きたってことを伝えてくるからちょっと待っててくれ!!」
「あ、いえ、あの、私すぐにギルドに行って依頼を受けてきたいんですけど…」
「まてまて、お前はさっきまで寝てて、今起きたばっかだ、しかも今は夜中で外に出るのはいくら街とはいえ嬢ちゃんが外に出るのは危ねぇからよ、今日はここに泊まっていけ、飯ももう時期できる頃だと思うしな」
すると、ドアの外からドタドタと音が聞こえてきた
『ガチャ!』
勢いよくドアが開いてその先にはあの時助けた女の姿があった、何故か泣いていたが俺には理由がわからない。
「ぐす…父さん、その子起きたらすぐに呼んでって言ったじゃない…でも、良かったぁ…何も無くて…ぐす…」
「え、あの、すみません、なんか…あなたこそ大丈夫だったのですか?あの時はもう必死であなたに応援を呼ばせに行ってごめんなさい。」
「なんであなたが謝るのよ…でも、ありがとう、私は大丈夫よ。あ、自己紹介がまただったわね…私の名前はカナリアよ…これからもよろしくね。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。私はエリナです。」
「ええ。あ、そうだ、ご飯が出来たんだった、父さん、エリナ、下に降りて一緒に食べましょう!」
下に降りると何やら高そうな食事が並んでいた、この世界でも医者というのは給料がいいのか?
「今日はあなたが目を覚ましたら助けてくれたお礼にと思って普段よりちょっと豪華にしてみたのよ!!」
「そんな、気にしなくても良かったのに…でも、ありがとうございます!」
こうして食事を取りながら他愛も無い会話をしその日はもう夜も遅いからと寝ることになった。
朝になり下に降りるとカナリアが料理をしていた
「あ、おはよう、エリナちゃん」
「おはようございます、カナリアさん」
「ちょっとまっててね、もう少しでご飯ができるから!」
「あ、いえ、私はもうそろそろギルドの方に行かないといけないので…」
「あら、そうなの?でも、遠慮しなくていいのよ?もう三人分作ってあるから!」
「あ、はい、では、お言葉に甘えさせていただきます。」
「ええ!ぜひ食べていって!」
ご飯食べ終わったら、ギルドの場所を教えてもらおう…そういえば、ゲイツさんがいないな…
「あの、ゲイツさんはまだ寝てるんですか?」
「ああ、父さんならもう出ていったわよ?なんか、緊急の患者さんが出たとかで、急いで出ていったわ」
「そうなんですか。あれ?でもさっきご飯は三人分って言ってませんでしたっけ?」
「それなら、多分父さんもう時期一回戻ってくると思うから、先に食べてていいわよ、急いでギルドに行きたいんでしょ?私が案内するわ!」
「分かりました、ではいただきます。」
「はい、召し上がれ!」
朝食を済ませ、支度をしているとゲイツが戻ってきた
「ふぅ…あいつ、また無茶しやがって!!今月でもう何回目だよ!!ったく、専属でついてるこっちの身にもなってほしいもんだ…」
「もしかして、またあの人?」
「ああ、あいつは何度言っても懲りないからな、ギルドからきつく言ってもらわんとな!」
「あの、さっきから出てくるあいつって、そんなに厄介なお客さんなんですか?」
「いや、昔っから世話してるやつだから厄介とは思っちゃいねぇんだが、あいつは、何かあると直ぐに行動しちまうやつでな、一応冒険者なんだが、おそらく嬢ちゃんの方が強いな!ガッハッハッ!」
「え、いえ、私なんて…」
「謙遜すんなって!この街であのキラーウルフを単独で討伐できるのなんて一人前の証だからな!!」
「は、はぁ…そうなんですか。」
「あ、そうだ、エリナちゃんギルドに行くんでしょ?私も準備出来たから行きましょ!」
「お?なんだ?、もう行っちまうのか?」
「はい、もうそろそろ依頼を受けてこないとお金が…」
「そうか、そりゃあ、ちと寂しくなるなぁ、まあ、あんま無理すんなよ!!またなんかあったらここに来い!!」
「はい!!」
「じゃあ、行きましょうか」
そして俺はゲイツに礼をして家を後にした
ゲイツとカナリアの家から歩いて5分程でギルドに到着した
「ここが、冒険者ギルド!?」
「ええ、そうよ、ここがこの街の冒険者ギルドよ!!」
思っていたよりも立派で大きな建物だ、この中に入れば漫画とかでよく読む荒くれ者達がいっぱいいるんだろうか…
はぁ…!!なんかワクワクしてきたな…!!
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