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異世界魔道具フェスタ  作者: 浪紗賀たゆた
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6.魔道具技師

「とりあえず座ろうか」


 私たちはおとなしくテーブルにつく。

 食事については、さっきのウルフの肉で料理をしてくれるらしいのでお任せコースになった。


「話の続きだけど僕がやっぱりって言ったのはアイテム袋だという確信があったわけじゃなくて、冒険者はランクによって性能差はあれどアイテム袋を持っていると思ってたからなんだ」


 つまり冒険者はアイテム袋を持っているのが当たり前と。

 その場の勢いで冒険者ってことにしちゃったけど色々問題が出てきた。

 今さら冒険者じゃないとは言えないから、早くこの世界の常識を身に付けないといけないかもしれない。

 

「それで魔道具技師についてだったよね」


 うん! 今後の事は後で考えるとして、まずは魔道具技師の情報を集めるのが最優先だ!

 

「そう! 魔道具技師! 私でもなれる?!」

「魔道具技師は言葉の通り、魔道具を作る人のことを言う。魔道具の知識と魔道具に流し込めるだけの魔力を持っていればなれると思うよ」


 ギルドカードを作る時に魔力を流し込めたってことは私の体の中にも魔力はあるんだよね。

 あとは魔道具を作れるほどの魔力があるかどうかってことかな?

 知識については本を読んだり魔道具技師の人に教えてもらったりすれば大丈夫なはずだ。


「この街に魔道具技師はいるの?」

「昔はいたという話を聞いたことがあるけど」


 どこか別の街に行ったか引退したとかかな。

 引退してまだこの街に残ってるなら、教えてもらうぐらいは出来るかもしれない。


「ほら、待たせたな」


 話しているとロイツさんが料理を運んで来てくれる。

 ステーキにパン、後は野菜のスープがテーブルに並べられた。

 料理を見た瞬間、腹の音が鳴った。

 今の聞かれてないよね?

 そういえば、マジフェスの前におにぎりを食べたっきり何も食べていない。

 

「いただきます」


 私はウルフの肉を一口大に切り、口の中に入れる。


「おいしい」

「当たり前だろ」


 モンスターの肉だから変な臭みでもあるかなと思っていたがそんなことはなかった。

 肉が少しかたいけど噛み切れないほどではない。

 お腹が空いてたこともあって、どんどんと食べ進める。


「スープもおいしいです!」


 パンはかたくてパサパサしていたので少し微妙だったけどスープはおいしい。

 あっさりしていて素朴な味付けだけどシンプルな分、肉との相性が良かった。


「そうかそうか」


 ロイツさんは嬉しそうだった。

 私の感想に満足したのか、すぐにカウンターに戻っていく。


「ルーシアは明日からどうする?」

「まずはギルドで依頼を受けてお金稼ぎかな」


 タダにしてもらった二日の間に何とか宿代を稼いでおきたい。

 その後、雑談をしながら食事を終えて私たちは2階へと上がる。


「じゃあ、おやすみ」

「おやすみー」


 アッシュは階段のすぐ前の部屋、私は一番奥の部屋にそれぞれ入った。

 

 私は部屋に入るなりベッドにダイブ!

 色々ありすぎて疲れた。

 これからこの世界で暮らしていくんだよね。

 さすがに夢ってことはないだろうし……。

 不安がないわけじゃない。

 もう家族や友達に会えないと思うと寂しさもある。

 けど、せっかく憧れのファンタジー世界に来たなら、めいいっぱい楽しまないとね!


 明日はまず、自分に何が出来るか色々試してみよう。

 魔法が使えるのかとか今すぐ調べたい気持ちはあるけど、こんな部屋の中で魔法が暴発でもしたら大問題になるので街の外で確かめるしかない。

 今のところわかっているのは、なぜか体が頑丈なのとポーチがアイテム袋になっているぐらいだ。


 その後で私の出来そうな依頼をギルドで受けてみようかな。

 依頼ってどんなのがあるんだろう。

 モンスター退治はあるだろうけど初めてで一人で受けるのは怖いし、薬草探しとか戦いがなさそうなのがあればいいんだけどなー。


 でも、一番重要なのは魔道具技師の情報だよね!

 ギルドの人にも聞いて、お金を手に入れたら道具屋にも行って話を聞いてみよう。

 魔道具技師っていう職業があるなら、きっと魔道具屋も存在するはずだ。

 私の魔道具屋を開くって夢が、この世界なら叶えられるかもしれない。

 そう思っただけで胸が熱くなる。

 心は興奮状態だけど体は正直みたいで色々考えてたら眠くなってきた。

 明日は朝早くから行動したいので、おとなしく眠りにつくことにした。 

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