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四年に一度の神隠し  作者: 烏川 ハル


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第一話

   

 四年に一度。

 この言葉を聞いて、普通の人は、何を真っ先に思い浮かべるのだろう。オリンピックだろうか、あるいは、2月29日だろうか。

 俺の場合は……。どちらかと言えば後者になるのかな? だが言葉として頭に浮かんでくるのは『神隠し』だった。

 そう、あれは今から十六年前のこと……。


――――――――――――


 2月28日の夜。

「明日は2月29日……」

 俺しかいない部屋で独り言を口にした時、ふと俺は、思い立った。

 せっかく四年に一度しかやってこない日なのだ。何か特別なことをしてみようではないか!

「そういえば……」

 少し前、大学の休み時間。隣で騒いでいたグループが、肝試しの相談をしていた。

 俺は一人で本を読んでいたのだが、聞こえてきた話によると、この近くに『神隠しのトンネル』と呼ばれる場所があるのだという。

 もう使われなくなった、昔の道路。ポツンと取り残されたトンネルに入ると、別の世界に引きずり込まれて、帰ってこられなくなるそうだ。

 その時は「俺には、一緒に肝試しに行く友達はいないから、関係ないね」と思っていたのだが……。

「今や、ひとり焼き肉とか、ひとりカラオケとか、普通に行われている時代。ならば、ひとり肝試しも楽しめるのでは?」

 これこそ、特別な日に行う、特別なイベントに相応しい!

 早速ネットで調べてみると、問題の『神隠しのトンネル』は、思ったほど『この近く』ではなかった。あの連中はドライブで行くことを想定していたのだろう。車のない俺とは、距離感が違うらしい。

 だが、頑張れば自転車で行けないこともない。

 独り身の気楽さで、俺は、深夜に自転車を飛ばすことにした。

   

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