指揮官
何にせよ真夜中だったので、僕はハヌマーンに帰って、寝た。
翌朝からエロクレミコ刈りを再開して、昼前、やっとシャーレの森の地下基地入口に到着した。
いずなやマリンに案内されて、中を巡った。
地下格納庫に眠っていたのは、五つの戦闘ユニット、
蜘蛛型兵器タランチュラ、
大型飛行兵器ドラゴン、
潜水兵器ホエール、
地下移動兵器ワーム、
そして指揮用の鳥形兵器ファルコンだ。
ファルコンは、戦闘機みたいなコックピットに僕一人で乗り込む、まさに男の子の夢、そのもので、しかもロボットに可変するのだと言う。
まずい。
なんか、変なホルモン、出てきた…。
「でも僕、自転車しか乗った事無いけど…」
「平気、平気。
脳波で繋がってるんだから」
「だから、逆に他の人間は乗れないぜ!」
うおぅ!
主人公専用機、来た!
これらはロボット整備員によって万全に維持されており、いつでも動かせる、との事だった。
基地の作動スイッチを入れ、僕は指揮官になった。
ドクターマーヴェの遺産は、これら兵器を含む基地そのものと、もう一つ、首に着けるチョーカーだった。
何か紋章が入っているが、意味は解らない。
「よくやりました、ウラガスミ。
後は魔王島へ行って下さい」
基地の管制室からイザベラの声が聞こえた。
エレベーターで地上に上がると、エロクレミコが活性化して、ウニョウニョ動いていたが、僕には無害だし、まるでなつくように触って来た。
エロクレミコは、実はドクターマーヴェが基地を守るために作った人口植物で、基地の指揮官には無害なのだ。
僕は自力で飛び(どうも指揮官補正らしい)、ツグミに案内されて魔王島に向かった。
マイラの町から東に一キロほど飛ぶと、紺碧の海に出る。
その涼やかな波音を聞きながら九キロ進むと、ヒョウタンのような島がある。
小さなヒョウタンの膨らみは火山で、その火口へ降りていくと、噴煙立ち上るマグマ溜まりの脇に、複雑な幾何学模様の場所があった。
その中心に降りると、一振りの剣が刺さっている。
お約束通りに剣を抜くと。
ドーン、といきなり空に閃光が走り、青空に稲妻が走った。
その雷が僕を直撃し…。
イザベラの声が、チョーカーから聞こえてきた。
「ウラガスミ。
あなたは正式に魔王となりました。
さぁ…」
嬉しげに、イザベラは歌った。
「この世界を、思う様、破壊して下さい」
そう言われても、困るのだが…。
長々とお休みしてしまい、申し訳ありませんでした。
今日から再開します。
どうぞよろしくお願いいたします。




