ポリスの死
まずシャーレの森に入るためには、エロクレミコの伐採から始めなければならないらしい。
デバイスを調べると、切断、というマジックがあったので、使ってみた。
手近な一本のエロクレミコの幹に、切断、をかける。
思うよりスパッと、まるでチーズでも切るように、エロクレミコは切れた。
が…。
高所の枝が他のエロクレミコと絡まっていて、全く動かない。
デバイスで、見えない手、というマジックを見つけて、絡んでいる枝を解きほぐしながら、ゆっくり横に倒した。
なんと、一本を切るだけで三十分もかかってしまった。
エロクレミコは、元々食用なので、デバイスで売れた。
一本で一万円になった。
また、根は二万円で売れた。
一本三万!
というワードが僕に力を与え、昼までに約百メートルほど道を作った。
シャーレの森の中で携帯食糧を食べて、また働き、約一キロほど、細い道を作った。
最後の方は、一本、一、二分でエロクレミコを切れるようになっていた。
そして!
僕はレベル三二に上がっていた。
全然戦っていないが、一千万ぐらい稼ぎ、レベルアップもするなんて凄く得した気分だ。
作った道はマジックで隠して、ポリスも一体、ガードマンにつけた。
が、翌日。
なんとポリスは殺されていた。
「死骸を残す、って事は冒険者じゃねーな」
と、いずな。
道の奥に行っても、何もされていない。
僕はその日、さらに三キロほど道を作り、道にブレーザーを放した。
ブレーザーは夜の間中見回りし、しかも見たことをイザベラに記録出来るという。
入口にはロックワームを仕込み、ポリスも十体、奥に控えさせた。




