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記憶喪失のボッチ冒険者  作者: 六青ゆーせー
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改革

ええっー! と僕は叫び、デバイスを調べた。


何千とあるマジックの中でも、自分は絶対に使えない魔法なので、細かい所までは読んでいなかった。


見ると、確かに(ヘーラは再生のための破壊をした後、時間をも支配する)とは書いてあるが…。


「これって、何か神話の言葉みたいで、えらくアバウトですけど、本当なんですか?」


「デバイスに記されていることは、それ自体が魔法の言葉、ゴッドスペル、と言って、一字一句、間違いはありません。

この世界では、魔王召喚のマジックが行われたのは初めてではないのです。

その前の魔王たちも、二つの世界、いや、きっと、それ以上の世界を旅したようです。


この世界のマジックの多くが、そうして異世界を旅した魔王によってもたらされたものなのですよ」


もし、それが本当なのだとすれば、例えば中一とか中二に戻って、そこから勉強し直せば、今の志望校より、もっと良い高校にも行けてしまう!


それより、元の世界でマジックが使えれば…。

と、考えて、マジックはカテドラルの力で使えているのだ、と気がついた。


それに、僕を守ってくれている守護者も、イザベラの力なのだから、まぁ、元の世界に戻るのは、ただのウラノカスミな訳だ。


でも、懐かしい世界に戻れると思うと、力も出てくる。


改革かぁ…。


色々、二一世紀人から見ると、おかしいと思うことは、いっぱいある世界だけど、でも、ある種の均衡はとれているように見える。

カテドラルを廃止したらマジックは使えないし、ノラの人たちは、まだ話したこともないし…。


「あの…。

ギルドと言うのは、一二人委員会とは、どういう関係性なんですか?」


「ギルドと言うのは、一二人委員会の中の武断派三人、ヨーク、コザ、ワコーが管理していますが、彼らとは独立した意思機関と思って頂いて大丈夫です。

なぜなら、穏健派の四人、バースイ、サーガ、ロト、イルもギルドの運営に、一定の発言権を持っているからです。


あなたは自由に、この世界を見て下さい。

今は、イザベラに行っておいでのようですが、この近くには、他に二つの注目すべき場所があります。


北の山にあるアンヌの塔、そして南のジアークの遺跡です」



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