戻れるのです
「ときにウラガスミさん。
もしや本名を思い出した、のではないですか?」
キャンパさんが聞くので、僕はトーブ焼きを食べていて、家族と行った焼肉を思いだし、全てを思い出した、と話した。
「そうだと思いました。
ウラガスミさんのパラメーターは大きく変わっていますから。
ウラガスミさんは、たぶん本格的に魔王へ覚醒を始めたのですね」
「それなんですけど…。
僕は、ただの中学生ウラノカスミで、とてもそんな魔王なんかじゃないと思うんですけど…」
「いいえ。
あなたは二つの世界を知っています。
この世界の歪みも、よく見えるはず。
それこそが魔王の条件ではないかと、私は思っているのです。
あなたは、お心のままに、この世界を、より良く変えてくだされば、それこそが破壊の神ヘーラの行いなのですよ」
うーん。
確かに、この二日間で見聞きしただけでも、色々良くないと思う事はあるけど、かと言って、このオーバーテクノロジーの国で、二一世紀人の正義が、果たしていかほどの価値が有るものなのか…?
「ごめんなさい。
二日間では、何も…」
キャンパさんは笑って、
「無論、真実を見極めるためには何ヵ月、何年とかかるでしょうが、二日で魔王に覚醒されたあなたなら、きっと素晴らしい改革を成し遂げられるハズです」
「それなんですけど…。
僕は中三で…、えっと…、受験と言うか…その…、大人になるための試験の途中で、そんな気長に構えてられないと言うか…」
キャンパさんはニッコリと笑い。
「よくデバイスをお調べください。
ヘーラとして、この世界の改革を成されたならば、あなたは、時間を支配できます。
つまり、召喚された前日でも、もっと前へでも戻れるのですよ」




