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記憶喪失のボッチ冒険者  作者: 六青ゆーせー
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サトノホマレ

「それじゃあリーケムフやパピーたちは外に退却、代わりにロボット君たち、中で黒い絨毯を焼き払って!」


疲労困憊のパピーたちが戻り、ロボットたちが塔に送られた。


が、ロボット君達がいるので、プロトロン光線はしばらく撃てない。


その間に、僕は空中に、エレメントを探して飛び上がった。


もし、この地下空間自体に魔法がかかっているのなら何らかの魔法のエレメントが見つかってもおかしくは無い。


「ケンビシ、少しだけ上を飛んでくるね」


言って僕はチャオンと共に飛んだ。


とはいえ、上空は太陽光に近い発光素材がいくつか都市を照らしているだけで、エレメントの破片も見当たらない。


「チャー!」


だがチャオンは何かを発見したらしく、中央部分に飛び始めた。


都市の天井は、光の反射を考慮してか真っ白に塗られていたが発光素材の裏側はただの岩だ。

その剥き出しの灰褐色の部分を目指して、チャオンは真っ直ぐ進んでいく。


僕はチャオンの野生を信用してるから、チャオンの後ろを進んだ。


接近してみると、発光素材は飛行戦艦より一回り大きな、ほぼ真円のUFOのような物体だった。


チャオンは発光素材の前でホバリングしながら、


「チャー!」


と叫んだ。


後ろを飛んでいた僕は、最初はチャオンが何故鳴いているのか判らなかったが…。


近づくにつれ、えっ、ええっ…、えええっー!


と、驚愕の真実に気がついた。


発光素材そのものが、ある種のエレメントのようなものなのだ。


あの超巨大ロボットを倒すには魔法を止める必要があったが、しかし、それが発光素材だ、ということは、これを破壊したら、その分、辺りは暗くなってしまい、全てを破壊したら地下空間は真っ暗になってしまう。


まー、僕の魔法でもある程度の明るさに周囲はできるのだが、この広大な地下空間をすべて照らす、となると結構大変だ。


とはいえエレメントを放置はできない。


「チャー!」


チャオンもやれ、と言っているようなので、僕は、このマジックエレメントを一気に破壊した。


周囲はガクンと暗くなったので、代わりに発光のマジックをかけた。


前よりは暗いが、まーまーの明るさだ。


僕らは、次々とエレメントを破壊し、発光を代わりにかけた。


全てのエレメントを破壊するのに、およそ十分。


巨大ロボットの動きは、明らかに鈍くなった。


「みんな!

魔法は解除したよ!

プロトロン光線を準備しよう!」


僕は降りながら叫んだ。


と…。


巨大な二つの手に押さえられた巨大ロボットの胴体が、突然爆発した。


「あれ?

どうしたんだろう?」


僕は驚くがマリンが、


「ロボット軍団が内部からの破壊に成功したようだよ」


おー、ロボット君たち、なかなかやるな!


「よし、俺達も内部に突撃だ!」


ケンビシが叫んだ。

とにかく暴れないと気がすまないらしい。


ドドドド、と勇者たちは一丸となって燃え上がる巨大ロボットに突撃した。


足から、内部に入れるのを、パピーが壁抜けをして見つけてくれた。


ドカドカと駆け上がって行くと辺りは火の海だ。


ゴウッ、と上の方で爆発音がする。


その辺りが塔のどこなのかはサッパリ判らないが、一本の螺旋階段が真っ直ぐ上に向かっていた。


周囲には謹厳実直なロボット君たちが、せっせと破壊活動を続けている。


僕らは炎と爆発の中、螺旋階段を駆け上った。


燃え上がった壁がベラリと剥がれ、火の粉を盛大に散らしながら下に落ちていく。


何十メートルか階段を登ると、四方斜めに鉄骨が走った頑強そうな構造の、広大な空洞に出た。


どうも、手や足が収納されていたスペースのようだ。


工事現場の足場のような段組みが四方の壁際に走っており、僕らは走って、足場にある階段を登った。



手足を収納していたであろう場所は、レールやチェーン、歯車などが作られているので、空洞だがそれと判る。


他に、サイドウエポンらしきビーム砲やドリルアームなどがレールに接続されていた。


そのバカでかい兵器の横を、僕らはせっせと上に向かう。


軍隊アリは、ロボット君たちが駆除してくれたらしく、僕たちは無人の荒野、ならぬ階段を、ひたすら登り続けた。


やがて収納庫を抜けると、パピーたちがマッピングしていた塔の上部で、マップがあるので、僕らは最短ルートを進めた。


この辺は、ロボット君たちに焼き払われた軍隊アリ駆除の跡が生々しく周囲の壁や床、天井に残っており、まっ黒焦げで、時折、壁が半分溶けていたりしている。


ただし部屋の中はピクシー君たちの調査でも意味不明の、おそらく魔法関係の器物などがあるようなので不用意には立ち入らず、安全ルートを遠回りでも走っていく。


やがて、上に向かう梯子が現れた。


天井ハッチを開けると、真っ暗闇だ。


僕はライトのマジックを使った。


そこは梯子の周囲を、みっちりメカが埋め尽くしている意味不明な場所で、梯子は遥かに上まで続いている。


急いで登るが、無数の計器やらランプやスイッチが連なったメカは、本当に何の意味かは判らない。

もしかしたら大型ロボットを全てマニュアルで動かすとこんな感じなのかもしれなかったが、しかしスイッチはあるが人が座るスペースとかは無いのだ。


片手で梯子に掴まって操作するのだろうか?


やがて、灰色の無骨な天井が見えてきた。


自動ドアなのかスーと穴が広がり、僕らは広い円錐形の内部のような場所に出た。


空中に椅子が浮いていて、男が座っている。


サトノホマレだ!


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