表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶喪失のボッチ冒険者  作者: 六青ゆーせー
820/836

巨大ロボット

巨大な瓶のような円柱型の水槽。


そこに褐色の液体が満たされ、そこに不定形とも言える肉の塊のような物体がプカプカと浮いている。


「こ…これがカゲユさん…?」


死んではいないのかもしれないが、とても生きている、とも言えない…。


だが、どう考えても、この瓶からカゲユさんを出したりしたら、その生命も風前の灯火だろう。


どうしよう…。


カゲユさんを開放しなければ、サトノホマレの無限のパワーを止められない。


だが、みすみす仲間を僕が殺す、なんて、ちょっとできない…、したくない…。


僕は頭を抱えたが…。


「ウラガスミ君…」


あ、五頭さんからのテレパシーだ。


「その機械ごと、彼を我々のマキアへ送ってくれ」


「あ、なんとかできそうですか?」


「まだ、断言はできないが、手は尽くそう」


僕は生命維持に関わる全ての機械ごと、カゲユさんを五頭さんのマキアへ転送した。





一方。


塔の動力源を破壊すべくリーケムフは闇の煙を辿り、広大な地下空間を見下ろすことになった。


そこでは、なんとボロボロになった人間が、地下空間を貫通する柱につけられた歯車を、押していた。


彼らの目も口も塞がれ、背中からチューブが一本、差し込まれている。


そこに流れる茶色い液体がカゲユを培養していた液体と同じものだとはリーケムフは知らなかったが、その液体により彼らは無限に歯車を回し続けるエネルギーを得ていることには気がついた。


「なんて残酷なのかしら…」


闇の女王でもそう感じたが、しかし、確かに歯車の層は十や二十ではきかないようだが、と、しても人力だけでこの巨大な塔の全てのエネルギーが賄えるものだろうか?


「ん、ここだけでは無いわね…」


影の煙を伸ばしてゆくと、どうやら同じような歯車の穴は、何十という規模で地下を埋め尽くし、まだ人間を入れていない、作りかけの穴も何本もあった。


ピ…。


小マリンの分析によると、培養液が循環することで、疲れず、眠らず、ただ無限に歩き続けることが可能らしい。


「どうにか、元の人間に戻せないのかしら?」


ピ…。


戻すことは出来るが、もはや修復不能なほど肉体と脳は薬物汚染されていて、培養液が途絶えたら、あとはただ廃人として生きるだけ、とのことだ。


「仕方ないわね…」


リーケムフは、闇の力を発動させた。


廃人を操る力ならばパピーやフンボルトにもあるが、ゾンビや吸血鬼になってしまう。


リーケムフなら、廃人を、廃人のまま自在に操れた。


「皆さん、あたしについてらっしゃい!」


塔の動力は、停止した。







パピーとフンボルトは、ピクシーとゾンビと共に塔の内部を探索していた。


「タマコさんが下の階はマッピングしてくれてたから、色々楽だね」


パピーはタマコにもらった方眼紙を使って、便利にマッピングを引き継いだ。


ピクシーは飛べる上に壁抜けも出来るので、探査はゾンビが担当し、それを逐一、ピクシーがパピーとフンボルトに伝える。


「うんうん、回転する床も落とし穴も無いから簡単簡単」


パピーはすでに二十階のマップ作成に取り掛かっていた。


「キキィ!」


「え、マップが動いてる?

どゆこと!」


パピーもフンボルトも目を丸くしたが、それは外で塔の攻撃をしていたユース君たちも同じだった。


「ちょ、ちょっとなによ、あれ!

塔から手が生えてきてるわよ!」


やっと砲台をあらかた破壊したユリイカが驚愕した。


塔の横から巨大な手が、ニョッキリと生えてきたのだ。


遠くから援護攻撃をしていたケンビシたちは、もっと全体が見えていた。


「おいおい。

足が生えてきてるじゃねーか!」


アンガスが叫ぶと、フェール君は。


「端的に言ってロボットだね…」


塔は、ウラガスミの世界の高層ビル程の巨大さだったが、そこに手が生え足が生え、巨大勝之信さえ子供扱いされそうな、化け物クラスのロボットに変貌を遂げていた。


砲台をニィーゴパンチで破砕したニィーゴが、不意に影に飲み込まれる。


知らないうちに頭上から生えた、小型のビルほどの腕が、ニィーゴ目掛けて振り下ろされた。


「分身!

爆弾ニィーゴ!」


分身を作ると共に滑空して腕を逃れたニィーゴは、滑空しているがゆえに、腕を振り下ろされた風圧で、上空に浮上した。


「あわわ…、なにこれ大巨人?」


高層ビルレベルのロボットが、自身の体重を乗せて地面を叩いたら、自重で砕けそうだが、ロボットは傷一つつかずに、巨大な割には俊敏に身を起こすと。


最上部から円筒形の頭のような物まで飛び出し、ビカリ、と謎のビームを発射した。


「滑空解除!」


狙われたニィーゴは、即座に滑空をやめて落下する。


間一髪でニィーゴの頭上をオレンジ色の光が通り過ぎたが、ビームは地底空間の壁に当たって大規模な崩落を巻き起こした。


「ケンビシ隊長!

こいつ、都市ごと僕らを葬るつもりだよ!」


ニィーゴは叫んだ。


「うーん、これだけの敵となると、むしろ軍隊で相手をしたほうが効率がいいな…」


ケンビシも唸る。

確かにラーサスの一大隊もあれば攻略は難しくなさそうだったが、勇者チームは強いとはいえ、あの巨大さと頑強さは手に余りそうだ…。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ