帽子
僕が、イザベラで手に入れた二十の機械。
重力を操る腕時計。
カプセルに入ったモンスター。
物質を液化する機械。
全ての魔法を封じるマシーン。
その他に、調べて判ったのは、
人の考えを読み取る、なぜか軍隊風の帽子。
力を強くするベルト。
足が速くなるソックス。
変身出来るケープ。
そして、大量のアイテムを、ほぼ無限に収納出来るポーチ、が今のところ、使い方を調べられた。
後の十の機械を詳しく調べる時間は、残念ながら無かった。
しかし、判っている機械は、もう身につけていた。
僕は、この町に来て、初めて車に乗った。
外見は、妙に丸っこいデザインだが、中はそれほど、二一世紀の車と変わらない。
僕は、後部座席に一人で座った。
「あの、
一二人委員会の者…、とは、実際には誰の手の人なのですか?」
僕は、密かに軍隊風の帽子の、ひさしの上の金属飾りを、カチリと回した。
「我々はスピン教団のリヒャード、ギルドを直轄するヨーク、コザ、ワコー以外の四人、ハープとイルリとカサドラとピスからなる四者連合の配下です」
嘘は無い。
「四者連合が、もう一人の魔王を、現在、支配下に置いているのですか?」
「そうです。
そして、これから、あなたを彼の元に連れて行きます」
嘘は無い。
「なぜ、そうするのですか?」
「彼が、望んでいるからです」
嘘は無かった。
車は、パレスに程近い、真っ白なビルの前で止まった。
「どうぞ…」
ドアを丁重に開けてもらい、僕は車を降りた。




