隠し部屋
「えーと、ではアズマさん、イザベラは引き続き待機運転でお願いします」
ギギ、とアズマは笑い。
「承知致しました」
と恭しく頭を下げた。
「いったい、どうなってんだ?」
マクルが聞くので、僕は、
「あの人たちは、イザベラの動力の維持管理をする人たちで、別に僕たちの敵じゃ無いんだよ」
と説明した。
僕の頭の中には、今やイザベラの廃墟の、全マップが入っていた。
無論、デバイスのマップは、まだ真っ黒だが、なんとなく今はまだイザベラについては、キャンパさんも含めたマイラの人たちには知らせない方がいい気がした。
僕は、この世界で一人ボッチなので、このぐらいの切り札は持っていた方が安全だと思うのだ。
「ここは彼らの仕事場だから、入らないで、ってさ」
僕は、三人を廊下まで出して、ちょっと迷ったが、マジック、口外禁止をかけた。
ここは、今のところ絶対に、僕一人の秘密にする必要があった。
だから、三人から秘密が漏れるのは避けなければならない。
でも、勿論、それに変わるプレゼントは三人に用意しようと思う。
僕は廊下を歩き、デバイスのマップに明示されている上層ルートの部屋まで歩き、偶然、階段下に隠し部屋を見つけた。
「ウォー、凄いじゃん、ウラガスミ!」
マクルたちは大興奮した。
この荷物置き場には、ほとんどマイラでは入手出来ない貴金属や高価な品が沢山入れられているし、管理者の僕がそれをどうしようと、イザベラの安全を守るホムンクルス、ポリスも現れない。
でも、何も戦いませんでした、じゃギルドが不自然に思うかもしれないな、と、気づいて、ポリスを六人、出現させた。
リナが叫んだ。
「何か来たよ!」
「僕に任せて」
ポリスは可愛そうだが、僕のレベルになってもらった。
デバイスで伝送すると、一体一万円になった。
僕は、レベルアップした。




