お宝ザックリ
デバイスに、はしPを映し、
「カンセンシャ、はしPを倒しました。
どう処理しますか?」
と、僕は聞いた。
ウィルスも死滅しているとはいえ、迂闊に町に転送していいものなのか、判らない。
ピッ、とデバイスが鳴り、
「オペレーターのキャンパです」
と、声が聞こえた。
僕は思い出した。
キャンパさんは、僕、担当のオペレーターさんで、困った事とか、色々お世話になっている。
「ウラガスミさん、お疲れ様です。
カンセンシャとの戦闘データは、こちらで確認しましたので、死骸はラボに引き取ります。
高機能バトルスーツなどの所有権はウラガスミさんにありますが、どう致しましょう?」
「あ、売れるなら、売りたいです」
「それではデバイスに装備品一色の代金200万円を振り込みます。
また、はしP氏のデバイスに入っていたお金やアイテムはウラガスミさんのデバイスに移します。
おめでとうございます。
はしP氏のデバイスに残っていた経験値を加え、ウラガスミさんは、レベル20になりました」
「ええっ、そんなにジャンプアップするんですか!」
「はい。
レベル差のある戦闘では、ボーナスポイントがつくことがあるんですが、今回は加えてカンセンシャの処理だったので、だいぶお得になったようですね。
どうパラメーターに割り振るか、ゆっくり考えて下さいね」
はしPが、目の前から消えた。
僕はデバイスを見てみた。
おおっ、
体力回復剤とか、傷治療キッドなんかが大量に手に入った。
今まではマジックを使っていたけど、ダンジョンに入るとなると、こういうものも持っていて損は無い。
さらに、カードキーなる謎のアイテム、データチップなるアイテムなどが10個ほどあった。
用途は不明だが、デバイスに入っているだけなので、もっていても別に不便は何もない。
経験値は、なんと500ポイントも入ってしまった。
ちょっとした宝玉なみじゃないか!
全部を割り振るのは町でゆっくり、で、いいが、とりあえず、今、戦闘状態になった場合に備えて、戦闘系のパラメーターは増やすことにした。
名 ウラガスミ
レベル 20
パワー 750
タフネス 750
マジック 888
スキル 999
敏捷 777
精密動作 827
ルックス 500
身長 157
体重 42
パワーとタフネス、それに射撃に直結する精密動作を400ポイント分上げた。
後のパラメーターは、色々慎重に考えて、ゆっくり決めたいと思う。
ルックス一点張りとか、身長と半々にするとか。
あんまり変えちゃって、町に帰ったとき、知り合いが見ても僕だと判らない、とか困るしね、特に記憶喪失中ではね。
思っているうちに、お腹が空いてきた。
もう、お昼だ。
町に帰ることにしよう。