支柱
僕は、三人の後ろからアーマナイトの階段を降りながら考えていた。
たとえば、キャンパさんに教えたら、この核融合炉を上手く止めてもらえるのだろうか?
魔法ならば、どうにか出来るのか?
デバイスを検索してみたが、核融合炉を廃炉にする魔法などは、さすがに無かった。
核融合炉は、形としては、ロケットのようだ。
地下百メートルから地上三十メートルぐらいに、建物とは数十メートル程離れて、建物の中に建つ、近未来的ガウディのサグラダファミリア、とでも言えるような機械の塔だ。
とはいえ、地震でもあったら、それだけで世界の破滅なので、所々に、壁から炉へ、支えが出ている。
その支えの一ヶ所に、ちら、と影が動いた。
「えっ…」
と、凝視してみると、どうも…。
茶色いツナギのような服を着た、人間のようなのだが…。
彼は、見ていると、自分の肩幅も無い支えをスタスタ歩き、ひょい、と核融合炉の中に消えていった。
「ええっ…!」
核融合炉って、中に入れるの?
僕は、そもそも原子炉しか知らないテクノロジーの世界から来ているし、核融合炉なんてオーバーテクノロジーはSF でしか知らないんだけど、あれって、中はヤバい放射能やら、何やらが…。
まぁ、人が入れる点検口ぐらいはあるのかもしれないし、着ていた茶色いツナギが、いわゆる放射能を防ぐのかもしれないが…。
それだと、まるで、そう、猿のように軽々と支柱を歩く姿が、どうも矛盾する気が…。
「どうした、ウラガスミ?」
リヌが、心配して声をかけてくれた。
「あ…。
いや…」
僕が言葉を濁したとき、マクルが叫んだ。
「おい、あそこに人が立ってるぞ!」
僕が見たのとは百メートルは離れた支柱の上に、やはり茶色いツナギの人間が立っていた。
4 日から7 日までお休みします。
よろしくお願いいたします。




