宝箱
「何だろう、この足跡は…」
僕は、リヌに聞いてみたが、リヌも首を振った。
奇怪な足跡は、ペタペタと奥の部屋に続いている。
追跡したい気もしたが、マクルは部屋の物色を始めていた。
足跡の主が入っていたと思われる円柱は、それを操作する一くくりの装置と一緒に部屋の真ん中にかなりの面積を占めていたが、壁際には、幾つかの箱と、棚のような物があり、なにか機械のような物や、ペンキの缶のようなもの、段ボール箱等が乗っていた。
「おい、これ箱じゃないか?」
マクルは大興奮して、声を弾ませた。
ちょっと、待って! と、僕はトラップ探知を使ってみた。
トラップはない。
「あけるか?」
僕らの感覚で言えば、宝くじの当たり券を目の当たりにしているようなものだ。
もしかしたら、一生遊べる程のお宝の場合だってあるのだから、興奮も致し方ない。
マクルが、おそらくアーマナイト製の蓋を引き上げると、蓋は音もなく開いた。
「?!」
僕ら四人は、声を失って、それ、を見た。
何か円筒型の、機械らしき物。
「何かな?」
マクルは問うが、誰も答えを発しない。
僕は懸命にリストを探してみた。
鑑定、というマジックを発見したので、使ってみた。
ズラズラと、文字が溢れ出す。
「え~と、アーマナイトの加工機だって。
今の技術からすると再現不可能な、ロストテクノロジーらしいよ…」
僕は話ながら、機械を手に持ち、スイッチを入れてみた。
ゴゥ、と、微かに唸りながら、機械は震える。
僕は、宝箱の蓋に機械を近づけた。
この加工機は、使用者の頭の中のイメージで、アーマナイトを加工していく。
アーマナイトの蓋は、僕が昔、博物館で見た、戦国時代の、槍、に変わっていた。




