強大扉とブレーザー
僕たちが近づくと、三メートルぐらいあるアーマナイトの扉が左右に開いた。
「一人づつ、注意しながら通るんだよ。
この扉、急に閉まるからね」
自動扉のせいで、毎年二、三人は怪我をしており、昨年は死亡事故まで起きていた。
まずマクルが、ひょい、と扉を飛び越えた。
続いて、僕が廊下に出る。
扉は、開きっぱなしだ。
次に、リナが通ろうとすると…。
急に、噛みつくような勢いで、扉がガシャンと、閉まった。
僕は、うわぁ、と驚いて叫んだ。
リナは、咄嗟にリヌが手を引いたので、無事だった。
無事らしい、が…。
今度は、扉が開かなくなってしまった。
マクルが、おもいっきり扉を蹴飛ばすが、無反応だ。
「まずいな…」
と、向こう側でリヌ。
「ブレーザーが湧いてきた…」
風船ふう烏賊、ブレーザーは、なぜだか、どこからか湧いてくるのだ。
僕は、解錠のマジックを使った。
すると、急に扉が、一瞬で開いた。
うわぁ、とリヌとリナが、転がるように廊下に出た。
ブレーザーが三体、目前に迫っていた。
僕は、慌ててレイガンで三体を撃ち落とした。
「扉は危険だから、勿体無いけど先に行こう!」
僕は、言った。
マクルは手にしたゴム手袋を、無念そうに振り回したが、リヌが歩き出した。
「実は、廊下まで出たのは、三回しかないんだ」
リヌが言う。
「ここには、廊下を動き回るポリスというモンスターがいて、かなり手強いからね」
強大で、とても硬い奴だという…。