ブレーザーの解体
「デバイスで、鉱石の保存って、出来るんだよね?」
僕が聞くと、マクルが、
「保存できるのは八キロまでなんだ。
ここでアマルガムを拾って、奥で、もっと良い物があったら、捨てなきゃならないだけ勿体無いだろ」
なるほどー。
イザベラの廃墟の一層で拾える可能性がある物は、アマルガム鉱石以外では、マテリアルと呼ばれる可燃物質、それからイザベラの廃墟もこれで作られているアーマナイトという金属等がある。
これらは、アマルガムの二倍から三倍くらいの値がつく。
そして、これは本当に、宝くじが当たった並みの幸運だが、宝箱と呼ばれる四角い箱を発見すると、素晴らしいアイテムが手に入る可能性も残っている。
「まぁ、一層なんて、先人が探し尽くしているんだけど、それでも昨年も二人の、僕らと歳も変わらない冒険者が、未発見の部屋を見つけ、五六個の宝箱を手に入れたんだ。
ここは、まだ、そういう事がある場所なのさ」
リヌも、目を輝かせた。
まーねぇ。
そういう奇跡の発見をしたら、油坂の部屋を出て、スピン教団なんかが手を出せない、安全な住宅にも住めるだろうしね。
サッカー場みたいな部屋は、さすがに探し尽くされて、アマルガムが転がっているぐらいだ。
二度ほどブレーザーを見かけ、僕がレイガンで撃ち落とした。
こちらはリナもいるし、出来うる限り安全に進みたい。
毒袋はエビマンゲツと同じように、転送し、その場でデバイスにお金が入るので、マクルたちは嬉々としてブレーザーを解体した。
肉は毒があるので素手では触れない。マクルたちは肘の上まである長めのゴム手袋を持っていた。
「ウラガスミも買っといた方がいいぜ!」
解体を見ると、ブレーザーは風船というよりは、蛸か烏賊のようだった。
サッカー場の出口は自動ドアである。
イザベラの廃墟は、実はまだ、死んでいないのだ。
そして、毎年、このドアのせいで死人が出ていた。




