ロックワームが踊り食い
僕は、マクルの真似をして、ゆっくりと歩いた。
爪先から、そっと足をつく。
僕の戦闘服は、なんの因果か夏用学生服、つまりY シャツに黒ズボン、足はスニーカーなので、サンダルよりは自在に動ける。
あ、思い出した。
僕の学区だけ、学ランで、通り一本向こうは、ブレザーだったから、あの辺ではすぐに何中かバレて…。
あれ?
じゃあ、僕は中学生かぁ?
え、自分、もっと歳上と思ってました…。
少なくとも、十五ぐらいかと…。
え、でも、それって受験ってこと?
僕は、ウーン、と考えた。
学区と言えば公立校だろうし、学生服を着ているのだから、元気に通学中だった筈で、そして秋葉原のゲーム屋のカードを持っていた!
そうそう。
僕は江東区の中学生でした!
でした、が。
そこまでしか判らない!
秋葉原とか御徒町とか浅草橋の町の感じは思い出すのに、住んでた場所は判らない、とは…。
僕がガッカリした瞬間、
「あんたたち!
そこで止まりなさい!」
へっ、と後ろを振り向くと、そこにはコフィとトムトムが立っていた。
「二人とも!
つけてたの?」
「盗み聞きする奴に言われたくは無いわね!」
トムトムは、自動小銃を取りだし、構えた。
「さあ、ウラガスミ。
三人が怪我をするよ。
こっちに来るんだ!」
僕は、腕を下ろしたまま、陰でデバイスを探した。
あった。
精神マジック、激昂。
僕は、ヒステリーのコフィに、マジックを発動させた。
「僕は、あなたたちを見限ったんです。
あなたたちは嘘をつき、僕を騙した。
しかも今は、無抵抗の人間を銃で脅そうとしている。
あなたたちの理想や思想は、正しいのかもしれない。
でも、もっと基本的に、人間として、あなたたちは最低だ」
トムトムは少し青ざめたが、精神マジックをかけられたコフィは激昂した。
「何が最低よ!
この、クズ馬鹿ウラガスミ!
あんたみたいな餓鬼が偉そうに!」
足をドンドン踏み鳴らす。
僕も一歩、後ろに下がったが、マクルたちも気がついて、下がった。
「この世界を正そうとすーーー」
砂利石を吹き飛ばし、巨体なロックワームが、地中から、文字通り、飛び出して来た。
ロックワームは、コフィとトムトムを呑み込んで、空中に百メートル級の弧を描き、砂利の中に消えていった。




