解体
あー、なんか、もしかしたら食べるんじゃないか、とは思ったんだ。
脚の治ったリヌも立ち上がって、他のエビマンゲツの解体にかかった。
僕は、リストを探して、リナに、状態診断のマジックを使ってみた。
最初は、当たり前だが医学用語がズラズラ並んで、さっぱりだったが、それを翻訳するマジックを使うと、どうも、疲労と脱水状態が問題らしい。
ヒールと、脱水を直す医療魔法を併用すると、みるみる顔色が良くなってきた。
その間、僕は、出来るだけエビマンゲツの方は見ないようにしていたが…。
治療も終わってしまったので、仕方なく振り返ると、エビマンゲツの固い殻をお皿に使って、エビのような生肉が山のように積み上がっていた。
固形燃料を使って火を起こし、甲虫の背中の殻を鉄板に見立て、マクルは焼肉を始めていた。
リヌもリュックから鍋を出したのだが…。
「そうか。
水を汲む時間が無かったんだ…」
僕は、黙って水筒を差し出した。
リヌはグツグツとエビマンゲツを煮込みだした。
リナが目を覚ました。
僕は、マクル、リヌ、リナの水筒に、空気中から水を集めるマジックで水を注いだ。
「で、どうするの、三人とも?
ギルドに相談する?」
うーん、と三人は考え込む。
「ギルドで、スピン教団に対抗できるのかな?」
リヌが疑問を呈した。
「僕も、一緒に行くよ」
そう…。
キャンパさんを頼ろう、と僕は思っていた。