夜の荒野
僕は、走りながらレイガンとトイガンを乱射した。
無論、バッテリーというものがあるから、本当なら、そんなことはしたくないのだが、今は、三匹のエビマンゲツに襲われているマクルたちを助ける方が先だ。
たまたま乱射した一発が、エビマンゲツに当たり、ドサッと重い音を立てて巨大昆虫は土の上に落ちた。
片腕から血を流したマクルは、勇敢に、落ちたエビマンゲツに、剣で斬りかかった。
近くではリヌが投石器で石を放っているが、地面に座ったままなので、あまり飛ばない。
どうも、傍らに人が倒れているようだ。
僕は、五十メートル程走ると、足を止めてレイガンで溜め撃ちに戻した。
一匹は、空中で粉々に砕け、歩きながら最後の一匹に狙いを定めた。
エビマンゲツは、僕に向かって、一直線に突っ込んできた。
僕は、十分引き付けて、エビマンゲツの頭を吹っ飛ばした。
駆け寄ると、マクルはエビマンゲツの解体にかかっていたが、リヌは足に怪我をしており、隣にはリナが気を失っていた。
僕は、マクルとリヌの傷を治してから、
「どうしてリナまで?」
聞くと、リヌは俯き、
「あのスピン教団だよ、
夜中に家に襲って来たんだ。
僕たちは慌てて町の外に逃げた。
スピン教団の連中は皆、町の外になんて出ないからね。
でも、夜の荒野は、想像以上に苛酷だった。
暗すぎてなにも見えないし、町より、ずっと寒いし…。
何かわからないけど、恐ろしい化け物の集団も、僕たちを取り巻いていて、全く気も休めずに…。
疲れはてて、リナは倒れてしまったんだ」
おーい、とマクルが声をかけてきた。
「エビマンゲツ、朝飯だぞ!」




