悩める僕は、羊を拾う
しかし、どうしよう…。
もう一人の魔王は、十二人委員会にいて、僕は、とりあえずギルドの管理下にあるらしい。
勿論、キャンパさんに相談する、という手もあるし、この世界について何も知らない僕が頭を捻るよりは、その方が確実なんだろうけど、それも戦争や、政争に使われてしまう可能性も高い。
考えながらトゥーム川の畔を歩いていると、上空をエビマンゲツが通り過ぎて行った。
ん…。
僕を襲いもせずに通り過ぎるとは、どういう事だろう?
と、僕は、土手に登って見てみるとーー。
五匹ものエビマンゲツが、誰かを取り囲むように群がっていた。
僕は、急いでレイガンを溜め撃ちした。
一匹のエビマンゲツが、空中で爆発し、二つに折れた。
たぶん、敵との距離は百メートルぐらい。
レイガンで狙うには、距離がタイトだった。
僕は、ライフル換装キットを買わなかった事を悔やみながら、溜め撃ちで、もう一匹、仕留めた。
取り囲まれた誰かが、一匹のエビマンゲツにダメージを与えたようで、大型昆虫が地面に落ちた。
僕は、走り出していた。
百メートルって言うのは、以外と遠いが、互いが見えない距離ではない。
「ウラガスミ!」
腕から血を流しながら叫んでいたのは、マクルだった。




