カテドラル2
詳しく話を聞くと、三五歳までの男女は冒険者としてイザベラの廃墟に行くが、冒険が出来なくなった者と、年齢に達したものは、特別な魔法エンジニアやプラント管理者でない限りはカテドラルに行く。
カテドラルで人が行うのは、脳の提供だ。
肉体の維持、という、かなり高度で二四時間体制の業務から解放された脳は、とてつもない力を発揮出来る。
それこそが、魔法、の正体なのだ。
ハレーイヤーでは、交代で子供たちと会うことも出来るが、実は、その体の脳にはデバイスと同様な物が入っているという。
厳密には、カテドラルに入ったときから、その人の人生は終わっているのだ。
僕は、聞いていて、吐き気を覚えた。
幸せそうなリナたちの顔が浮かんでくる…。
「じゃ…、じゃあ…、一体、キャンパさんが僕にさせたい事って…」
「いいかい、ウラガスミ。
この世界には、この町以外にも、幾つかの町がある。
そして、それらの中では、マイラは、とても弱い。
年々、弱くなっていく。
このままでは、他の町に吸収されてしまう。
マイラでは、そうなる前に、君、ウラガスミと、もう一人の魔王の力で、隣町アフェリアを逆に吸収するつもりなんだ。
吸収、と言うのは、端的に言えば、侵略戦争、ということなんだよ」
「し…、侵略戦争!」
僕は驚いて叫んだ。
「そうなんだウラガスミ。
この国にも大きな都市が幾つかある。
それら、都市は、複数の町を植民地として資源提供を受け、大都市としての機能を維持し、大きな軍事力を持っているんだ。
ギルドがしようとしているのは、隣町アフェリアを植民地とする侵略戦争だ」
僕はしばらく、声を失っていたが…。
「だ…だけど、じゃあ君たちはマイラをどうするつもりなんだ?」
トムトムは頷いた。
「僕らは、十二人委員会を倒し、カテドラルの運営を改める」
「どう、改めるの?」
コフィが叫んだ。
「掃いて捨てるほどいるノラを使って、カテドラルを運営するのよ!
デバイスも沢山増やす。
それが一番、理想的なやり方なのよ!」




