ラッキーセブンに身をゆだね…
スリングショットはバトルスーツ着用者を想定してはいない。
しかし、だからといって、命中しても無傷、という訳ではない。
特に僕の場合、マジックポイントを使って溜め撃ちをしているので、エビマンゲツの甲板も撃ち抜けるハイパーモードだ。
僕は素早くスリングショットを構え、撃った。
はしPは、どっ、と吹き飛び、倒れた。
たぶん胸の辺りに当たったハズだ。
バトルスーツに防がれて貫通はしないが、あばら骨ぐらいは折れていてもおかしくはない。
これがカンセンシャでなければ、勝負はついた、かもしれないが…。
カンセンシャを、たぶん僕は見たことはない(あったら思い出すハズだ)けど、たぶん…。
あの映画やゲームのゾンビだったとしたら、頭を破壊する、とか、しない限り終わらなそうだよな。
しかしソフトヘルメットを被っているから、頭に当てても破壊できない。
で、ある以上、僕のとるべき道は…。
パラメーターUP のマジックだった。
まずは、パワーをUP ×5。
1回で50ぐらいアバウトに上がるので、これで僕もパワー780になった。
ついで服の防御力を×5UP するが、残念ながら学生服は21世紀の日本製なのでデバイスには表示が無い。
まー、そもそも木綿製だし、おしてしるべし、だよね。
基本、防御力も50UP なハズなので、最低でも250ぐらいにはなるはずだ…。
あー、高機能バトルスーツ、欲しぃ…。
つまり、あれだ。
敏捷777を生かして、出来るだけ721のパワーを食わないように気をつけましょう…、という…。
普通だったら、もちろん無理ゲーなんだけど、実は、僕の第三の特殊能力は、ゾロ目の7である、この敏捷力なのだ。
戦いには、絶対に回避したい場面というものがある。
例えばタフネス一桁とかでの敵の一撃、などが分かりやすい。
敵も一桁のタフネスであれば、回避さえできたならば、まず勝てる。
そういう時に、1つの戦闘に3回だけ、絶対回避できるという特殊能力が、この777のラッキーセブンのゾロ目なのだ。
だが、人間、命がかかると慌てちゃうのだ。
ゲームなら、結構、使い勝手が良さそうな、この能力。
僕は上手く使えた試しがなかった。
が、そんな事言ってても仕方がなかった。
僕はバトルスーツのカンセンシャに向かって、2発目のスリングショットを撃ちながら、接近戦の心の準備をしていた。