友達が欲しくって
マジック発動に際して、攻撃対象を選べるようだ。
10人のスピン教団信徒にチェックをし…。
マジック集団失神を発動した。
スピン教団信徒が、爆けるように跳ね、路上に倒れた。
2人の少年は、ポカンと周りを見回していた。
僕は、潜入、を解いて姿を見せた。
「お前、誰だ?」
胸アーマーが、至極当然の質問をした。
こーゆー時、物語の主人公とかだったら、通りすがりの正義の味方、ぐらいで通ってしまうのだが、残念なことに僕はルックス500で、身長157センチのウラガスミなので、全く説得力がない。
「あー、ええっと…、実は僕も別口で、スピン教団の被害者なんだ…」
と、昼の事件を話した。
そうか!
と、胸アーマーが頷き、
「俺、マクルと、こいつ、リヌは、こいつの妹、リナを拐われたんだ。
俺たちがイザベラの廃墟に行っている間にだぜ!」
ええっ、君たちイザベラの廃墟に行ってるの! と、しばらく話した。
マクルとリヌは、レベルは17と16だが、ペアでなら、1階入口周辺には行けるようだ。
入口周辺でもアマルガム鉱石ぐらいは、採れるので、それを集めて、リヌたち兄弟とマクルの3人は、仲良く油坂通で生活していたが…。
初めはスピン教団信徒がうろついて気持ち悪い、ぐらいだったのだが、すぐに各戸を回って、悔い改めよ、とか言って小銭を集めはじめ、どうもその時に住人の生活や、果ては美醜まで調べたものらしく、窃盗、や、誘拐、が始まった。
「この前は6歳の男の子が2人、誘拐されたんだ。
親は泣いたけど、連中は、知らない、と撥ね付けて…」
この町の警察は、スピン教団には無力なのだそうだ。
何故なら12人委員会の1人、リヒャードが、スピン教団の教主だから。
「だから自力でやるしか無いんだ!
ウラガスミ君、強力してくれ!」
友達の欲しい僕は、2つ返事でOKした。