襲われた、僕
しかし武器は大切な買い物だ。
僕は、ライフル数丁と自動小銃数丁、それにZC型のカスタマイズを試してみた。
ライフルに関しては、試し撃ちでは差は感じなかった。
組み立てる手間が実戦でどう影響するか判らないが、破壊力も十分な気がする。
自動小銃バージョンは、ギミックが多いので、取り回しが難しい。
むしろ、いずれコンパクトな別の物を買うつもりでいた方がいい気がした。
お手入れついても、おじさんに質問していると、文庫本を紹介してくれた。
素人にも分かりやすくレイガンの解説をしてくれている、そうだ。
僕は、やっぱりZC 型のバンドガンとバッテリーを購入することにし、他に左手用にトイガンを1丁と、予備バッテリーとホルスターを揃えた。
ギルド周辺なら武器ぐらい装備して歩くのが普通なので、僕はその場でバッテリーベルトとZC を腰に着け、トイガンは肩から下げた。
スリングショットの弾用革袋もベルトに吊るし、ベルトにポーチを付けてスリングショットを収納する。
さて、と。
残りの時間はショッピングセンターを見て回ろうか。
円柱型のエレベーターで最上階に行くと、緑豊かな公園になっていた。
あー、落ち着くなぁ、と思ったのも束の間、ふと目をやると、木陰では男女が唇を重ね合わせていた。
慌ててその場を離れたが、小川が流れている、と思ったら、川岸には数メートルおきにカップルが並んでいる。
僕は即座に階段に飛び込んだ。
ちょっと顔が赤くなってしまう。
どうも、あれだな…。
僕の知らない僕は、あまり、あーゆー所に行ったことがないのか、ちょっと気が回らなかった、のかな…。
下階7階は靴の専門店で、戦闘用ブーツから、男女のお洒落系の物まで豊富な品揃えだ。
中には水中作業用、なる物まであった。
6階は、どうやら礼服的なもの。
5階は本屋。
4階は家電一般で、3、2は服、と、いった品揃えなようだ。
地下は市場で、生きた鳥や豚から、魚介、野菜、スパイスから鍋釜まで食の一大市場という感じだ。
冒険者用の携帯食も大きなコーナーになっていた。
味は、残念ながらタルカ味しか判らないかった。
1袋1食で、値段はピンからキリまで。
日持ちはするようなので、10食ほど購入し、水筒も買う。
1階に戻って携帯食を入れる野戦用バックも買った。
ショッピングセンターを出ると、僕はハヌマーンに戻ろうとした。
レイガンの本を読んでおかないと、明日、使えないからだ。
広場の途中、僕の左右にピタリと、ケフムという帽子とバスローブ(の、ようなもの)を着た男たちが貼りついてきた。
ケフムとは、1番近いのは、日本の時代劇に出てくる頭巾、だと思う。
目、以外は隠せる帽子で、冒険者用にも売っていた、こっちでは、けっこう使われている物だ。
「な…、何か?」
僕は焦って問いかけた。
「騒ぐな。
黙って俺たちについて来い」
わ…、どうしよう。
多分、強盗だ!
僕は、はしP の所持金も手に入れていたため、デバイスには1000万もの大金が入っていた。
瞬間、オロオロした僕だが、気がついた。
僕にはマジックがあった。
幸い、左右から、男たちは僕の腕を掴んでいた。
スタンショック
なんか、だんだん、これが必殺技みたいになってきたな。
ケフムの男たちは、跳ねるように倒れた。