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記憶喪失のボッチ冒険者  作者: 六青ゆーせー
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ついに念願のレイガンを!

黒いカバンに入っていた、この世界に来て初めて買った、クローラーに見立ててもらった、グリーンの服を着て、ジーンズに似た色合いの体にフィットするズボンを履いて、紐付きサンダルを合わせる。


地元風の衣装で、僕はショッピングセンターに向かった。


フロントに鍵を預けて、横の居酒屋を見ると、確かに僕と、変わらない年齢の人しかいないようだ。

こういう所なら21世紀ならオジさんたちが集まりそうなものなのに…。

そこはコフィとトムトムの話が本当なのか、と思う。


だけど、彼らの語る灰色の未来など、嘘であって欲しい、と僕は心から願った。

とにかく、彼らの話の疑問点は僕以外の21世紀人が見当たらない点だ。

彼らの言うように、僕は一目で21世紀人だと判る格好をしていたのだから、見たら判るハズ。


そして、この世界から帰るすべが無いのなら、なにかしらのコミュニケーションをとってきたとしても、おかしくはないのではないか、と僕は思うのだ。


だから、本当は学生服で歩いた方がいいのだが、コフィによると、空間移動をしてきた僕の服は、弱いとか、異界の物、という理由でデバイス表示されないのではなく、防御力がケタはずれに高すぎて表示されない、いや出来ないのだという。


だから、大事なときにだけ着るようにし、普段は、この世界の服を着た方がいい、とコフィは言う。

無論、それが嘘で、コフィたちが僕を囲い込むために言っている、可能性もある。

だけど、服が一着しか無いのも事実なので、僕はこうして着替えて外出した。


広場に出て、ギルドの隣のショッピングセンターに向かう。


ショッピングセンターは7階建ての四角いビルで、1階部分は柱しかない構造だった。

正面入口は冒険者最大の関心事、武器と防具が、ずらりと揃っている。


いかつい刃渡り150センチぐらいの両刃の大剣や、使い勝手の良さそうな40センチぐらいの片刃のナイフ。


弓矢や、僕も持ってるスリングショット。


防具は、はしP も着けてたソフトヘルメットや、同じ素材の胸当てや、肩、肘などのパットが格好良く陳列されていた。


一つ一つ眺めながら奥に進んでいくと、膨大な小型ナイフのコーナーの先に、レイガンがあった。


一口にレイガンと言っても、大きさも性能も色々だ。


ライフル型のスナイパー用や、自動小銃のようなもの。


大型バンドガン、そしてトイガンなど。


威力が大きいのはライフルや自動小銃だが、バッテリーも大型になる。

バンドガンでも大型バッテリーを備えたものもあるが、その分、冷却装置が十分ではないので注意が必要だ。


「あ…、これだ!」


レイガンの最新シリーズZC型。

腰にバッテリーを巻くことでバッテリー交換の煩わしさを最小限にしたモデルで、高威力で小型、そしてパーツの組み替えで自動小銃にもライフルにもカスタマイズすることが出来る。


「これ、使ってみてもいいですか?」


売り場にいた、初老の男に聞くと、やってみな、と売り場の奥を差した。


そこには円い的がある。


僕は腰にバッテリーを巻く。

思ったより、ずっと軽い。


まずは基本の大型バンドガンスタイルで、構え、撃った。


チュン


と、小さな音がして、的の中心に小さな穴があく。


「溜め撃ちしても?」


「バンドガンなら、いいよ」


ドゥ、と銃が唸った。


的が、蒸発した。

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