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記憶喪失のボッチ冒険者  作者: 六青ゆーせー
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気がつくと僕は…

おそらく、週1ぐらいでは書けると思います。

最初はフニャフニャかと思いますが、お付き合いいただけたら有難いな、と思っています。

はて?


僕は周囲を見回し、そして再び首を傾げた。


はてさて?


今まで、何かをしようとしていたような…。

厳密には、そんな気がする、のだが…。


気がついてみれば、僕は外にいて、

外というか荒野と言ってよい場所にいて、何をしようとしていたのか、全く判らなくなっていた。


て、言うか僕って?


………。


あれ、僕って誰…?


自分の事を全く思い出せない事に気がつき、僕は慌てた。


ふ、服は…。


白のYシャツと黒いズボン。


あ、そうだ学生服だ!


思い出して、少し安心したものの…。


え、何学校?


たぶん中学か高校か、そのぐらいだったような気はするのだが、


これはーー。


そうだ!

たぶん記憶喪失だ!


僕は記憶喪失にかかり、しかも、よりによって何も無い荒野に立って…、いや座っていた。


あ、黒のズボンって、汚れが目立つから!


と、思い、僕は立ち上がって埃を叩いた。

手が、お尻のポケットに触れ、財布があるのに気がついた。


「よかったぁ!」


僕は声をだし、財布を取り出した。


自分の財布だ。

今、現在、絶賛、記憶喪失中の僕だが、それは、何故だか判った。

二つ折りで、札入れには内側から千円、五千円と並び、数ヶ月前に行った映画の前売り券の半券が残っている。

映画名はーー。


「ときめきファンタジア 七つの島の大冒険」


うんうん分かる。

主人公のアカネより、その親友のトモカに、いつだって僕の心は癒されていた。


あれ…。


ときファンのことは、すっかり思い出しちゃったぞ!


もしかすると…。


そうだ!


僕は記憶を失っていたが、映画の半券を見たら、ときファンのことは思い出した。

つまり、何かヒントかアイテムさえあれば、僕は僕の事を思い出すのかもしれない!


僕は慌てて財布の中身を調べてみた。


いつか転んで2針縫った時に行った病院の診察券、風邪をひいたときの診察券。

学生証は! 無いなぁ…。

普通、財布に入れないもんなぁ…。


ゲームショップのメンバーズカードはあったが、残念ながら秋葉原店なので、店の内装しか思い出さなかった。


と、荒野のど真ん中に突っ立って、自分の財布を調べていた僕は、不意に顔を上げた。


「敵だ!」


えっ…、敵?


自分で言って驚き、そして、思い出した。


僕は、今、戦っている!


なぜかーーー!


は、知らない。


だが、敵は、僕を殺そうと常に狙っており、僕は敵を倒さなくては命がない。


僕の武器はーー。


周囲を見回し、思い出した。


スリングショット。

いわゆる、パチンコって奴だ。


ちょっと、ショボいと思うかもしれないが、どんな物も弾として打てるし、無限に連打できる。

そういう意味では、なかなか頼りになる相棒なのだ。


僕は敵が近づいてくる方位を見た。


僕には、幾つかの特殊能力があり、敵が半径1キロに接近すると判る、というのもその一つだ。

他の能力についても思い出したのだが、とにかく敵との対決が優先だ。


方位、おそらく太陽の位置から推定して東、から、虫型の敵が迫って来ていた。


いわゆる甲虫型で、背中の甲板を開いて、羽根を出してブロロロロ、と唸るような羽音と共に、真っ直ぐに飛んでくる。


体は人間ほどあるので、おそらく三回ぐらい脱皮した成虫だ。

二回の脱皮までは卵を産まないが、三度目の脱皮をすると成虫となり、生殖能力を持ち、同時に人を襲うようになるのだ。


僕は腰にぶら下げた三つの革袋の一番手前のものから石を取り出した。


この革袋、一番前のは、拾って選りすぐった使い勝手の良さそうな石、二番目は爆弾、三番目には魔法弾が入っている。


僕はスリングショットを構え、ゴム紐に石を挟んだ。


敵の甲虫エビマンゲツは、決して強い敵ではない。

だが、初撃を外すと、緑色の粘液を撃ってくる。


射程は10メートルと言ったところだが、飛行する敵の厄介なところは、立体的な攻撃を仕掛けてくる、ところだ。

上空から、急降下してきたり、擦れ違いざま、急旋回して背後を突いたり、はたまた、甲虫はとても硬いので、体当たり1発でも悪くすると人間である僕は死んでしまう。


なんせ学生服なのだから…。


なぜ、戦闘状態なのに学生服なのか、全く意味が分からないが…。





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