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第二節 夢に見た君は~
夢を見たって 君が言うんだよ
この世界が壊れる夢を
これでもう全て 夢は叶った
そう呟いて世界は眠る
この広い異世界で ただ一つの青い星
夢で見たボクらは笑ってたって
そう呟いた君は 泣いていて
忘れた想いも 欠けた記憶も
全部 ぜんぶ 現な世界で
夢を見たって 泣く君を
ボクは優しく包み込んだ
君を忘れるその時まで
───そんな夢を見た気がしたんだ
………君は、──だれ?
………あれは、──なに?
朝霧のように消えて行く
君が、話した言葉さえも
君と紡いだ記憶の糸が
次第に解れて 見えなくなって
朝日は静かに僕を差し
夢の世界は溶けてなくなる
君と築いた 世界の星が
君と描いた 未来の光が
花弁のように散って行く
零れた雫が 布団を濡らし
朝日に光って落ちて行く
やがて君の顔も忘れてしまい
落ちた雫を 私は拾う
薄れた記憶が壊れないようにと
やがて君の声も聞こえなくなり
疼く胸を 優しくかき抱く
この記憶が抜け落ちぬようにと
──夢を見たんだ
──誰かの夢を
相変わらず不定期ですが、宜しければこれからもお願いします。