プロローグ
もうひと作品描いてみました。こちらは息抜きで投稿しますので間が空きます。「変異や移植で実験を」も是非読んでください!
きりりりりりり
この弦を引く音が僕の心を静めてくれる。丁度いい力で引いて手を放す。
トン
いい音だ。中心に当たったのかな?いや、少しずれてるな。
「先輩またど真ん中っすね。どうやったら真ん中に当たるんすか?」
「練習あるのみだよ。それと正確には上に3㎜ずれたけどね。少しゲームのことを考えていたからだと思うなー」
「相変わらずすごい視力っすね。それとゲームってことはアレっすか」
この2023年を代表するのはVRゲームだ。2021年に開発、発売され2年たった今でもその勢いは衰えることはない。今までのVRゲームソフトは現実世界を基に作られたが今回の新作ソフトはちがう。異世界が舞台なのだ。そしてその新作ゲームソフトが今日発売なのだ。そのゲーム名は「バトルライフオンライン」通称「BLO]。
この「BLO」が予告されたとき、日本が震えた。全ての若者が欲しいと思った。だがサーバーの関係で1万人とプレイヤーが制限されたのだ。だから運営は応募した若者を抽選で選んだ。それに選ばれた1人がこの僕、安土鬼灯だ。
「そうだよ。4時には届くから...ってもう4時前だ。僕はもう帰るって部長に伝えておいて、後輩クン」
「わっかりましたー。それとそろそろ名前で呼んでほしいんすけど」
「忘れちゃった、ゴメンね。じゃあバイバイ」
さあ早く帰ろっと。
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よし着いたっと。制服のままだと面倒くさいから着替えてと。
チリンチリーン
あ、着たみたい。インターホンがおかしいって?気にしないで。
「お届け物のBLOでーす」
「ありがとうございます!ク〇ネコヤマトさん」
「いやウチはクラ猫ヤマトなんで...では失礼します」
やっと届いた。さっさと部屋に戻ってBLOをは始めよう!
プレーヤーにセットしてと。頭にデバイスセット。電源もON。ベットに寝転がって。
「OpenTheWindow」
そう言うと眠気が来たので寝た。
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「起きなさい」
「む、起きたよ」
目の前に女の人がいるね。金髪でキレイで胸が大きい。
「私はナビゲーターです。こちらで種族を選んでいただきます」
目の前の女の人が手を振るとプレートが現れた。
なになに?獣人、魔人、人族、ランダムか何が違うのかな?
「種族の違いは何ですか?」
「獣人は初期の身体能力上昇のスキルを持ち、魔人だと魔眼を持っています。人族は気を多く持てるスキルを、持っています。ランダムはそのままの意味で、ランダムでしか当たらない種族もいます」
なるほどね。魔眼が気になるねー。獣人の強化系スキルもいいしなー。よし、決まった。
「ランダムでお願いします」
「へ?」
なんか予想していた事と違った時の声だったね。聞いてみよう。
「どうしました?」
「い、いえ予測していた事と違いましたので...」
当ったりーー。
「では、ランダムでよろしいですね。こちらのスロットをお回しください」
そう言って手を振ったらスロットマシンが出てきた。ネオンでピカピカしてるなー。回せばいいんだったよね。えいっ。
☆キメラ☆
「はあ!?」
ビクッ!
どうしたんだろー、いきなり叫び出して。こういう時は温かい目で見守ってあげよう。
「す、すいません!また変な声をあげてしまって」
「別にいいですよ。で、なんで変な声を上げたのですか?」
「この☆キメラ☆はランダムでしか出なくて、そして確率が途轍もなく低いのです。GMがふざけて作ったのです。確率で表すと1億分の1ぐらいです」
わーすごいなー。僕、運がいいのかな?
「では次に混合できる数とベース、混合させる生き物、そしてその融合する部位と対応する部位をスロットで決めてもらいます。ベースは絶対に人型ですから安心してください」
またスロットか面倒だな。まとめてできないのかな。
「それなら出来ますよ」
今心を読んだみたいだけど別にいいや。速く回そう。えい!
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3種類
ベース:ニュンペー
フリートレント:左腕全て、スプリングスパイダーの糸疣:右手の指先、ショットオウルの羽根:右腕の前腕
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なんか色々でたなー。ベースが精霊だから小さくなるのかなー。って女の人が四つん這いになってる。悲しい事でもあったのかな?背中をさすってあげよう。さすろうとしたら立ちあがちゃった。
「見苦しいところをお見せいたしまして申し訳ございません。気を取り直して説明いたします」
女の人の話を要約すると
・ベースの精霊は体長15㎝なので、必然的に小さくなる。
・融合した生き物の特徴はその力を使った時に部位に出る。
・フリートレントの力は部位を木にして自由自在に動かせる。
・スプリングスパイダーの糸は伸縮自在で、それを指先から出せる。
・ショットオウルの羽根を前腕から放てる。
・防御力が紙未満
だった。 と
防御力が紙未満っておかしくないかな?トレントは木だから堅いと思うし、蜘蛛のほうだって甲殻あるから堅いはずなのに。
「捕捉させていただきますとフリートレントは他のトレントと違い柔らかく、スプリングスパイダーは糸を使って跳ねるので限界まで軽くした結果......甲殻がなくなりました」
なるほど、僕が物凄いハードプレイになることだな。最悪、死に戻りするからいっか。
「精霊は翅がついておりますので飛ぶことができます」
それならよかった。ヒット&アウェイができるな。
「種族の説明が終わりましたの新たなる世界に送らせていただきます」
「わかりました、お願いします」
返事をしたら女の人が僕の額に触れてきた。あったかいなー。
「新たなる世界につきましたら指パッチンをしてください。そうすればウィンドウが出るので名前を入力してください。後は貴方が思うがままに......」
そう言われると僕の視界が白く染まった。