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夕暮れの森にて





綺麗でやわらかくてあたたかい


目をほそめて笑う君が愛しい


君を想うと心がとても苦しくて


だけどそれすらも心地よい


僕らは君がいればそれでいい


君だけがいればそれでいい




君が他の奴を見るたびに


心が黒く塗りつぶされる


君は僕らがいればそれでいい


君は僕らだけがいればそれでいい


そう、あの日、僕らは





ーーー君に出会った











ーーグランバルト王国


人口十万人の小国であり、オラシオン大陸のちょうど真ん中に位置する。国土も小さく、ぐるりと大国に囲まれたその国は、今にも攻めこまれそうな勢いである。


かつては、戦乱の世の英雄であり、初代国王であるグランバルト(この国の名前の由来である)による指導のもと、その領土を大陸の半分まで広げていた。しかし、初代が亡くなりその息子へと代替わりすると共に、その勢力は衰え、それを機に隣国に侵略され、今やこの有り様。それでも、王族による政治だけは長々と続き、その歴史は古い。隣国に怯え、なんの改善も見えない政治に国民は辟易していたが、争いを好まない国民性故に革命や反乱が起きる兆しはない。


また、農業や酪農が盛んで、食糧自給率が高く、他国にも多くの作物が出回っている。つまり、良く言えば「とてものどかで平和な国」悪く言えば「田舎臭い弱小国」と言ったところだ。




「……うーん、これでもないわね…」


グランバルト王国の北東にある森の中、少女が一人。小さく頭をひねりながら、ぼそぼそと何かを呟いている。


彼女の黒髪には、長いこと森を歩き回っていたために木の葉や小枝がくっついている。空のように青く飲み込まれそうな瞳の先には、木の根もとに生えた植物。ひょっこり生えたそれはどうやら彼女の獲物ではなかったらしい。


「…はぁ、せっかくここまで来たのに…」



「………帰ろう」







(あぁ、もう最悪だわ…)


少女ーーアリア・バンフィールドは内心悪態をついていた


祖母に頼まれた薬草を採集しそこね、気分はドン底だ。大体、今日は祖母の手伝いをする日ではなく、のんびり本を読んで過ごす予定だったのに…。



アリアの祖母はアリアが住む村のたった一人の医者であった。その祖母の手助けをアリアはいつもしているのだ。


しかし、今日は村の気の良いお爺さんから貰った本を読むつもりで楽しみにしていたのだ。


ーーなのに


今日に限って、村長の息子が怪我をしたのなんだので治療に使う薬草を切らしてしまったのだ


そんなに大した怪我でもなかったのにーー


彼女の祖母は、別の怪我人が出たときに大変だからとアリアに薬草探しを頼んだのだ。


そういうわけで、アリアの休日はもっぱら草探しに変わってしまったのだった。



夕暮れの森は何だかいつもと雰囲気が違う。今まで歩いてきた道もなんだか、薄暗くて怖い。さらに気分も沈んで憂うつになる。




「……はぁ」


(…ん?)


ーー岩だ。黒くて大きい岩だ。その黒にアリアは目をこらした。


(…ん?)


もしかして、もしかするかもと、岩に近づくとやっぱりそうであった。


「っ!あったーー!」


なんと、岩の間からお目当ての薬草がこれでもかと生えていたのだ


「よかったわ、これで任務は完了ね!」


草を頼まれていた量くらいまで摘み取り、意気揚々と帰ろうとしたその時ーー




ーーガルルルル、ガルル





岩よりも黒い何かがいた

処女作です!

頑張って更新していくのでよろしくお願いします!

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