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9ー3
カイラスがルリから身体を離すと、ルリは不安そうな顔をして見上げていた。
「謝らないで」
ルリの意図を測りかねて、ルリから顔をそらしてしまった。
ルリの瞳がまっすぐに、カイラスの心の奥まで射抜くように向けられていた。
ルリを愛おしく想うのに、ルリを泣かせてばかりなことに、自分で自分にがっかりする。
思ってもいなかったが、ルリが望むなら、そのほうがいいかもしれない。
「ルリが望むなら、寝所は別にしてもよい...」
ルリは、しばらく黙ったままだった。
「カイラスは、そうしたいの?」
どこか、気が抜けたような声音だった。
また、ルリを泣かせたくなかった。
「そうしてもよいと、思っている」
ルリの気持ちを確かめたかったから、ルリを見ると、もう泣いたりしていなかった。
憂い顔だったが、その瞳に強い光を宿していた。
「泣いたりして、ごめんなさい。
寝所は別でもいいよ。カイラスの好きにして」
もうその表情から、ルリの気持ちは読み取れなかった。
「マリィには、そのように伝える」
寂しい気持ちでいっぱいだったが、ルリの気持ちのほうが大切だ、と自分を納得させて、いつものように、ふたりで少し離れて眠りについた。




