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「瑠璃っていう青い色の石にちなんでつけたって、言われたことがあるの。
私が生まれたときの誕生石だったから、それと、宝物のように大切な子どもだって意味と」
カイラスは、聞き返した。
「宝物のように大切な子どもとは?」
遠く離れた地の大切な人たちを思い出したのか、ルリは少し瞳を潤ませているように見えた。
「両親は結婚しても、なかなか子どもを授かれなくて、私が生まれるまでに苦労したらしい。だから、子どもは私だけなの」
カイラスは、そう言葉にしたルリが悲しそうに微笑んだことに胸が痛んだ。
そうしようと思っていたわけではなかったが、カイラスはルリに口づけていた。
ルリは「あっ」と小さく声を出した。
カイラスがルリを大切に想っていることを伝えたくて、抱きしめると、ルリは小さなため息を吐き出したあとに、静かに涙を流し始めた。
ルリはカイラスが口づけたり、抱きしめる時、いつも、泣いている...
ールリが心開くまで待つと決めたのに。
ルリの心はほかの男のものなのに、ルリは身体を求められたと、また誤解したのかもしれないと思い、
「すまぬ」と口にした。




