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8ー5
「家政務長...」とナオがぺンを手に持ったまま、腰を浮かせて、マリィさんを制した。
しかし、マリィさんは、ナオに申し訳なさそうな顔をしたが、俺に近づいてきて、切実な感じの強張った声で、俺に質問してきた。
「今の話は、どういうことです?」
ーどういうこともなにも、ルリ様本人が、殿下に言ってたのだから、間違いない。
マリィさんに、俺が勝手に言っていいものか、悩むところだ。
そこのところは、多分、ルリ様が自分で言いたいだろう。
アレを言うか迷ったが、条件をつけることにした。
「あの〜、マリィさんもナオも、ここだけの秘密にしてくれる?」
真剣な表情のふたりが、大きく頷いたのを確認して、俺は話し始めた。
「カイラスが、好きだから....って、言ってたんすよ。ルリ様が」
「それで、殿下は⁉︎」
マリィさんとナオが、ふたり同時に声を上げた。
「あぁ、殿下は知らないと思いますよ」
その答えに、ふたりの眉が寄せられた。
「だって、そこだけ、口パクだったから」




