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市場での要人警護の任務を無事に終えて城に戻り、警守団団長に報告も済ませ、勤務終了にもなろうかという頃。
「アルバン、ナオさんがお前を探してたぜ」
同僚のザルカが、ナオが警守の詰所まで、俺を探しにきたことを教えてくれた。
「ナオが?
なんの用事だろう。
なにか、伝言とか残していかなかったのか?」
「ああ。
お前と直接話したいから、執務補助官室にきて欲しいって」
ナオは、俺の幼馴染だ。
俺は体力自慢だったから、武官になったが、ナオは、家柄も良く頭脳明晰だから、俺よりも年若いうちに、文官として士官して、今は執務補助官の長として、城の「表」を仕切っている。
要するに、俺よりも、うんと、偉いってことだが、幼馴染ってことで、気のおけない関係だった。
「ナオんとこ、行って、今日はそのまま帰るわ。んじゃ、お疲れ!」
ザルカや詰所にいた同僚たちに、軽く挨拶を済ませて、ナオがいる、執務補助官室に足取りも軽く向かった。




