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差し出した首飾りをカイラスが受け取った。
「これを....ここで身につけていきたいのだが構わないだろうか?」
店主から「もちろん」と力強く返ってきた。
カイラスが瑠璃に背を向けるように促したので、瑠璃はカイラスに背を向けて、おろしていた髪が、邪魔にならないように、うなじをあけた。
カイラスの手によって、瑠璃の首元に、カイラスの瞳と同じ色の首飾りが、まるで、そこにあるのが当たり前のようにおさまった。
ふりかえって、カイラスの反応を確認する。
「気に入ったものがあって、良かった」
一瞬だけ、その表情に嬉色が乗ったのに、すぐに、いつもの表情に戻った。
「うん」
笑顔を返しながら、新たに首元におさまった首飾りに愛おしく触れた。
そんなふたりを眺めていた店主が声をかけてきた。
「庇護を与えたばかりなのかい?
誓いの装身具しか身につけてないけど。」
カイラスが複雑な表情で応じた。
「庇護はずいぶん前に与えたが、事情があって、なかなか、首飾りを与えるまでにかかった」
店主はそれ以上は事情とやらを聞こうともせずに、柔らかく微笑んでふたりに言った。
「なんにしろ、その太陽石がふたりの未来を明るく照らしてくれるだろうよ」




