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7ー6

「マリィたちのお土産は、なんにしよう?」


瑠璃は、「奥」で、待っている女官たちや、働いているひとたちの顔を思い浮かべながら、口にした。


通り過ぎてきた店に並べられた菓子のいくつかを、その、候補に頭には入れていた。


「マリィなら、この先にあるガレが好きだと言っていたような記憶がある」


カイラスから、マリィの好きなものの情報をもらい、瑠璃は、しまったと思った。


ここのところ、ぼんやり過ごしていたから、お土産のリクエストを聞くことすら、しなかったことに気がついた。


「マリィが好きなガレって、どんなもの?」


瑠璃の質問に、カイラスが瑠璃を見ながら


「ルリは食べたことがないかもしれなかったな。

甘くて香ばしい香りがする、焼き菓子だ。

この先に、いくつかガレを売る店があるから

、買うといい」


と、客を引く威勢の良い掛け声がするほうを見ながら、教えた。


「元祖とか、本家とか、いくつもあるからな。マリィが、どこの店を言っていたのかまでは、覚えていない」


カイラスが教えてくれたガレは、マドレーヌに近い感じの焼き菓子で、瑠璃はカイラスが試食ように買ってくれたものを食べて、気に入った。


「元祖は、食感がふわりとしてて良かったし、本家は口に含んだときに、広がる甘い香りが良かったし。食べたら、かえって、悩むなぁ」


元祖か、本家かで悩んでふたつの店を見比べる瑠璃に、カイラスが言う。


「両方の店で買えばいいではないか」


瑠璃は、カイラスを呆れたように見上げながら返す。


「次くる時の楽しみにとっておきたいの。

だから、今回はどちらかで、買う!」


しばらく悩んでから、瑠璃は、

「今日は、元祖にしよう」と勢いよく、口にした。


カイラスがホッとしたような表情をして、瑠璃を待たせて、ガレを買いに行ってくれた。


なにやら、カイラスは店のひとたちと、話しこみ始めてしまい、瑠璃は手もち無沙汰になってしまったので、ガレを売る店から、少し離れたところにあった可愛らしいアクセサリーの店をのぞくことにした。


店先に綺麗な色合いの石をうまく組み合わせて作られた首飾りや、ブレスレット、髪飾りが並べられていた。


瑠璃が店先で、それらを眺めていると店主らしい女が声をかけてきた。


「気に入ったのがあったら、手にとってみてよ。ハイラル自慢の鉱石を組み合わせた手工芸品だから」


声の主に、瑠璃は見覚えがあった。


女も顔を上げた瑠璃をまじまじと見た。


ふたり同時だった、声をあげたのは。


「あの時の⁈」


瑠璃がカイラスを宿に置き去りにしたあと、ブラックウォードまで馬車に乗せてくれた一団のひとりだった。


女は瑠璃の身なりを上から下まで確認して、

満足そうにしていた。


「あんたみたいに、綺麗な娘が、ほっておかれるわけないものね。

で、あんたの連れは一緒じゃないのかい?」


瑠璃がカイラスを探して、顔を来た道のほうに向けると、ちょうど、カイラスが瑠璃を追ってくるところだった。



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